kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



省エネ住宅に向けて、エコキュート

 東京電力オール電化住宅推進と政府のCO2削減政策が相まって、エコキュートの人気が高まっている。しかしながら、エコキュートのことをよく理解しないままに、人気があるから・営業さんに勧められたからという理由で購入している人も多いようである。そこで、一度エコキュートについてまとめてみたい。

エコキュートとは

 電気を使ってお湯を沸かす機械である。このお湯は、お風呂や床暖房などに使うことができる。ただし、ガス給湯器のような瞬間的な湯沸かしはできない。そのため、あらかじめ温めたお湯を貯湯タンクに蓄えている。よって極端にたくさんのお湯を使うとタンク内のお湯を使い切る可能性がある*1。一方、貯湯タンク内の水の過熱を割安な深夜電力を用いて行えば、給湯コストを下げることができる。

エコキュートの仕組み

 エコキュートの仕組みは、簡単にいえばエアコンと同じである。エアコンは屋内の熱を屋外に移動させることにより、屋内を冷やしているが、エコキュートは貯湯タンク外の熱を貯湯タンクに移動させることでお湯を沸かしている*2。この熱の移動を行う仕組みをヒートポンプと呼んでいる。ヒートポンプの効率は非常によく、電気をそのまま電熱線で熱にするよりも多くの熱を、ヒートポンプは発生することができる。ただし、エコキュートの効率は外気温に依存し、気温が低いほど効率は低下する。

エコキュートの利点

 第一の利点は、ランニングコスト(電気代)が安いことである。ん、、ほかに利点ってあるかな?。。。

エコキュートの欠点

 第一の欠点は、初期コストが高いこと。価格コムを見てみると、30万円から50万円程度の費用がかかる。ヒートポンプの寿命は3万時間といわれており、1日8時間使ったとすると10年で寿命となる*3

 第2の欠点は、騒音である。エコキュートはエアコンと同じように室外機が存在する。上で述べたように貯湯タンクにお湯をためておくため、お湯を沸かす間に室外機を動かす必要がある。この騒音が一部では問題になっているようである。

まとめ

 エコキュートはお得か?と聞かれるとケースバイケースで何とも言えない気がします。初期投資をいかに抑えるかがお得か否かのポイントでしょう。

 さて、IHクッキングヒータの出現もあり、エコキュートを導入すると、ガスを使わないオール電化を実現することができる。自動車も将来的には電気自動車になっていきそうなため、生活はますます電気に依存するようになりそうである。

*1:深夜電力温水器みたいなものである

*2:エアコン室外機が冷房中には熱風を吹き出していることを思い出すと分かりやすい。

*3:エコキュートは長く使えば結局お得と営業は言うけれど、そのためには寿命10年とすると年間で3万から5万円のランニングコストのセーブを実現する必要がある。

高断熱住宅のエアコン選び(暖房編)

 年末から冷え込みが厳しくなってきました。暖房目的でエアコンの購入を考える人も多いかもしれません。
 私は引っ越したのを機に、エアコンを東芝のエアコン大精快502UDRに買い換えました。エアコンを選ぶ際に一番迷ったのが、どれくらいの暖房能力がエアコンに必要なのかということです。引っ越し先が高断熱住宅であったため、小さめのエアコンで間に合うといいなと期待して、502UDR一台で能力の二回り広いのスペースをまかなうことにしました。
 いざ、真冬になって使ってみると、十分暖かいことが分かりました。石油ファンヒータをつける必要も無く、エアコン一台で過ごしています。

http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20101030/1288443036

住宅ローン:変動金利 vs 固定金利

 住宅購入と言えば、住宅ローン。ということで、住宅ローンのお世話になる人はたくさんいると思います。住宅ローンを借りるときに気になるのが利子の利率です。住宅ローンには、変動金利型と固定金利型があり、それぞれに利点・欠点があります。しかし、どうも世の中の情報が整理されていないようで、掲示板で激論が交わされています。そこで、私の意見をまとめてみようと思います。
http://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/96108/

 まずは、具体的な数値を確認しましょう。例えば、労金で住宅ローンを借りたとすると、利子は以下のようになります。

変動金利 年2.475%
固定金利(3年) 年2.900%
固定金利(10年) 年3.350%
固定金利(20年) 年4.40%

3000万円を20年ローンで借りたとすると、利率が年2.475%だと返済総額は3800万円、利率が年4.4%だと返済総額は4516万円になります。その差額は716万円です。つまり、20年間利率が変わらないとすると、変動金利で借りたほうが716万円お得なことが分かります。しかし、将来利率が上がる可能性があるため、変動金利が必ずお得だとはいえません。また、20年後の利率を予想することは不可能であるため、変動金利と固定金利のどちらが得かは予想できないことになります。

上は、損得で変動金利と固定金利を比較しましたが、リスクという観点でこの二つを比べてみましょう。固定金利は、借りた時点で返済総額が決まります。それに対して変動金利では返済総額が不確定です。例えば、利率が10%まで上がると*1、返済総額は6948万円となり、返済するのはかなり難しいことになります。このように変動金利は将来の不確定要素を残すリスクがあります。

このリスクに対して、変動金利を指示する人の意見は、(1)利率は急には上がらない、(2)利率が上がったら繰り上げ返済すればよい、(3)利率が上がるときはインフレになっているので購入した住宅の売却価格が上がるので住宅を売却すればよい、(4)利率が上がるときは給料も増えている、くらいのようです。これに対する反論は、(1)利率が急に上がらない保証はどこにもない、(2)繰り上げ返済する資金があるなら、借入金を減らすのがよい、(3)常にインフレになるとは限らない、(4)常に給料が上がるとは限らない、となります。

これらの意見・反論は、それぞれもっともなのですが、確実なものではないため、変動金利と固定金利のどちらがよいかは、結局各自の将来に関する世界観次第ということでしょう。

*1:仮に借入直後に10%に上がった場合

高断熱住宅のエアコン選び

 すっかり涼しくなり、エアコンを冷房でなく暖房で使うようになってきました。私は東芝のエアコン大精快502UDRを使っています。このエアコンには二つの特徴があります。一つ目は、現在の消費電力をリアルタイムに表示できること。二つ目は、デュアルコンプにより低出力運転時の消費電力が小さいことです。
 最近は朝肌寒いので、エアコンをつけるのですが、数分で部屋が暖まります。そのあとは、消費電力15Wで動いています。15Wと言えば、無線LANアクセスポイントと同じくらいです*1。そのため、一日中エアコンをつけっぱなしにしています*2
 エアコンの現在の消費電力が分かるというのは、結構面白いものですし、そのうえ効率的な使い方を検討する材料にもなります。

*1:たとえば、バッファロのWZR-HP-AG300Hの消費電力は13.2W

*2:エアコンをこまめに消すよりも、照明をこまめに消した方が電気代に貢献します。

住宅防犯を考える

 最近ホームセキュリティについて調べている。セコムやアルソックのようなホームセキュリティサービスに入る前に、そもそも防犯性の高い家とはどんなものか調べてみた。まず、防犯性は、(1)周囲の監視性、(2)進入口の物理的なアクセスの困難度、(3)進入口の物理的な破壊耐性、(4)逃避の容易さ、に分類できる。
 周囲の監視性とは、要するに周辺住民にどれだけ気付かれるのかということである。なので、人通りが多く、見通しが良い家が防犯性能が高いといえる。逆に、塀や植木などで視線がさえぎられる構造があると、そこが狙われやすい。
 進入口のアクセスの困難度とは、要するに窓やドアに泥棒が近づくことがどれだけ困難かということである。例えば、2階の窓はアクセスが困難であるが、足の踏み場になるようなものがあると、防犯性が下がる。
 進入口の破壊耐性とは、要するに窓やドアがどれだけ丈夫かということで、錠も丈夫なものやダブルロックにしておくことが望ましい。
 最後の逃避の容易さというのは、泥棒が万一発見されたときに逃げる経路がどれだけ確保されているかということである。

 ホームセキュリティを考える上で大切なのは、最も弱い部分が狙われるということである。例えば、玄関をすごく丈夫にしても一部の窓が弱ければそこから賊は侵入してくる。また、近隣の家の中で一番弱い家が狙われるので、一度泥棒に狙われたら、対策をとらなければ何度も狙われることになる。

ホームセキュリティは必要か?

はじめに

 ホームセキュリティって必要なのかな? と迷う人は多いと思う。ここでは、まず犯罪被害の分析をし、そこからどんな家が被害に遭いやすいのかについて述べる。そして、ホームセキュリティの必要な家、不要な家についてまとめる。


犯罪分析

平成23年度の警察白書の図1−12に侵入犯罪の統計データがあります。これによると平成22年度の侵入犯罪は、次の通りです。

件数 割合
侵入強盗 1,680件 1%
侵入窃盗 136,552件 85%
住居侵入 22,027件 14%

このように侵入窃盗(空き巣)が圧倒的である。このため、以降は空き巣に焦点をあてて分析を進める。上記の侵入窃盗のうち住宅対象の犯罪が74,558件であり、これに対する分析を日本防犯設備協会が提供している。これによると、

  • 侵入手口は、ガラス破りと無締り(カギ締めなし)が合わせて約80%
  • 侵入をあきらめる時間は、5分以内が68%、10分以内が90%を超える

このことから、空き巣の泥棒は、さっと侵入してさっと逃げようとしていることが推測できます。考えてみれば、泥棒にとっては

  • 侵入する家は選び放題である
  • 侵入するまでその家に現金がいくらあるかは、分からない

ですから、なるべく捕まるリスクの小さい家を泥棒は選ぶと言えましょう。

泥棒に狙われる家

 上を踏まえると、泥棒に狙われる家というのは、以下だと言える。

  • 人目につかないところに侵入経路(ガラス窓等)がある
  • 留守がちである

 常に誰かが在宅の場合は、ホームセキュリティの必要性はあまりない。一方、共働きのように留守の時間がはっきりしている場合は、人目に付かない侵入経路がないかチェックする必要がある。例えば、通りから身を隠せる場所に窓がある場合は、ガラスを破られ侵入される可能性が高い。
 ライフスタイル(共働き等)や住居の構造(窓の位置等)を変えるのは、なかなか難しいため、ホームセキュリティの導入を検討するのが良い。

ホームセキュリティは有効か?

 ホームセキュリティの仕組みは、泥棒が住居に侵入するとセンサーがこれを検知し、警備センターに通報、警備員が住居にやってきて状況を確認するというものである。例え、ホームセキュリティの警備員が泥棒を発見しても、泥棒を取り押さえたりせず、警察に通報するだけである。
 この仕組みにがっかりする人もいるかもしれないが、泥棒にとっては侵入が検知されてすぐ誰かが現場にやってくるということ自身が嫌なのだ。そんな家に侵入するくらいなら別の家を泥棒は狙う。つまり、ホームセキュリティの効果は泥棒に対する抑止力である。このため、ホームセキュリティを導入すると、ホームセキュリティを導入していることを示すシールを家に張るような仕組みになっている。
 蛇足ではあるが、たくさんあるホームセキュリティ会社のなかからどこを選ぶか迷う人もいるかもしれないが、結論から言えばALOSKかセコムにした方が良い。それ以外は、会社が小規模で警備員の質にムラがある。一方、ALSOKとセコムは、警備員の管理の仕組みがしっかりしている。

まとめ

 ホームセキュリティの効果は、抑止力である。泥棒は多数ある家の中で、守りの甘い家を狙う。ライフスタイルや家の構造的に、守りが甘い場合には、ホームセキュリティの導入を検討すると良い*1

住宅現場手帖 防犯住宅 (日経ホームビルダー住宅現場手帖)

住宅現場手帖 防犯住宅 (日経ホームビルダー住宅現場手帖)

*1:逆に言えば、お隣がホームセキュリティを導入していると、泥棒からはあなたの家が狙われるかもしれない。

住宅の即日完売はいつまで続くか?

 比較的高額物件が良く売れている。年収一千万以上の層を狙った物件の即日完売が多数出ているのだ。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20100731/1280549348

 今日もマンションの第一期販売が即日完売したというダイレクトメールが私のところに来た。7千万以上の物件である。

 年収が一千万以上のユーザ層はニッチであるため、この住宅販売の好調さはいつまでも続かないと思うのだが、どうなんだろう? 注視してみたい。

住宅選びの基準

 住宅探しをしていると、何が良いのか分からなくなり、もっと良い物件があるのではないかと思ってしまうと、決めれなくなってきます(いわゆる買えない状態)。

 その土地は良いのか悪いのか、その建物は良いのか悪いのか、などと気になってきます。さらに将来その土地が値上がりするかしないか、災害に強いか弱いかなど考え出すと、だんだん自分が何のために住宅を買おうとしているのか分からなくなってきます。こうして、買えない状態になるのです。

 そこで、初心に帰って住宅を評価する尺度を決めました。(1)駅から徒歩圏であること、(2)明るい部屋であること、(3)ワクワクすること、この3つで住宅を評価することにしました。最後のワクワクするというのがポイントで、なにか自分が好きになれる不合理さ(欠点)がないとつまらない。例えば土地が微妙に歪んでいるとか、建物が無駄に立派とか、そういった不合理な部分が個性なんだと思います。

省エネ住宅:遮熱と断熱

 住宅性能表示制度ができたせいか、外断熱だの内断熱だの色んな言葉をネットでみかけます。しかし、そもそも「断熱」って何か?というところで混乱があるように思えるので、まとめて見ます。

 そもそも、熱の伝わり方には、放射と熱伝導*1がある。放射というのは熱が空間を直接伝わるもので、太陽や焚き火に手をかざしたときに暖かさを感じるのはこの放射のせいです。一方、熱伝導というのは、物体の熱が徐々に伝わっていくもので、火にかけたフライパンのもち手が熱くなるのは、フライパンの底の熱がもち手まで熱伝導したためです。

 さて、遮熱というのは、放射による熱を防ぐものです。Low-Eガラスは遮熱の方法として最もポピュラーだと思います*2

 一方、断熱というのは、熱伝導による熱を防ぐものです。2重ガラスが断熱の方法としてポピュラーだと思います。

 夫々の利点・欠点を考えてみると、遮熱は外から入ってくる熱をはねかえしてしまうので、冬は寒くなります。一方、断熱は部屋を外部の影響から切り離すことにより空調の効きをよくすることができますが、ある程度厚みが必要になるので部屋が狭くなります。

 こうしてみると、完璧に遮熱・断熱すれば良いというものではなく、他の要因とバランスを取るのが肝心だと思います。

*1:その他に対流もあるが、今回の話に関係ないので省略。

*2:Low-Eガラスは放射を防ぐ面を、温暖な地方では外に向け、寒冷地では内に向けます。http://sumai.nikkei.co.jp/know/chishiki/index20060201j1000j1.html

高断熱住宅のエアコン選び

住宅のモデルハウスに行くと、20畳を超える広いリビングがあったりする。この広い空間の空調にはどんなエアコンをつけるのだろう?業者に尋ねてみると、大きいエアコンを一台つけるよりも小型のエアコンを2台つける方が電気代は安いよ、と教えてくれました。これって本当だろうか?

調べてみると、エアコンのコンプレッサを回しているモータの効率は、ある特定の回転数で最大となり、低速回転では効率が悪い。つまり、エアコンは弱運転が苦手なのである。

もう少し調べてみると、さくら事務所さんのホームページから以下の資料をみつけました。

独立行政法人 建築研究所
住宅にかかわる省エネルギー手法の可能性
環境研究グループ 上席研究員 桑沢 保夫
http://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h19/panel/1.pdf
(9ページ目)

居間で測定した結果は、カタログ性能程度と見ることが出来るが、寝室で測定した結果は、平均的にはカタログ性能の半分も出ていないと言うことがわかった。これは、エアコンの性能が、外気温だけではなくて、そのときの負荷にも影響されているためである。寝室は居間に比べて面積も小さく、また使用時間帯は外気温の低い夜間が多いため、冷房負荷が小さかったのに対して、設置されたエアコンの能力が大き過ぎたために、その能力を十分に発揮できるような領域ではなくて、より小さい負荷で動く時間が長くなり、結果的に低い効率しか出せなかったのである。

 やはり、大きな部屋には2台のエアコンをつけて、冷えてきたら1台を消すというのが効率が良いことがわかる。

 しかし、さらに調べてみると、東芝のエアコン大清快のデュアルコンプレッサは、この問題を解決していることが分かった。その技術は学会で技術賞までもらっている。
http://www.tri.jspmi.or.jp/prize/ppmi/002/report/N02-06.pdf
PDFの図1は、横軸が運転負荷*1で、横軸がその負荷で運転しなければいけない延べ時間(年間)。最近のツーバイフォーのような高気密高断熱住宅は、いったん部屋が冷える(暖まる)とそれ以降は外へ逃げる熱が少ないので、エアコンはものすごくゆっくり動けばよい。ところが、先ほど述べたようにエアコンはゆっくり動くのが苦手なのである。そこで、東芝のデュアルコンプレッサは、コンプレッサが二つあって、一つを止めることができる(つまり、部屋が暑いときにエアコン2台で急速に冷やして冷えたら一台を止めるのと同じことができる)。うーん、面白い。探すともう一つ技術資料が出てきた。図10がデュアルコンプレッサのすごさを示している。
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2009/11/64_11pdf/a06.pdf
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/ecolabo/49/index.shtml

*1:エアコンの大きさで正規化している

建売を見学

注文住宅がいいのかなっと思い、ミワサホームさん、積水ハウスさん、パナホームさんなどのハウスメーカに土地を探してもらっていました。しかし、なかなか良い土地が出てきません*1。ハウスメーカさんによると、良い土地が見つかるまでは2年待った人がいるということなので、少し気長に待つことにしました。その間、ただ待っているのも不毛なので、建売も何箇所か見に行くことにしました。

建売には、5棟程度の小規模な売りだしが行われるときと、15棟程度のある程度の街区として売りだされる場合の二通りがあります。リクルートコスモスやファインコートは、街区として売っているようです。どちらの営業さんも、街区としての統一感をメリットとして言っていました。一方、ファインコートで感心したのは、各家の日当たりを配分して特別暗い部屋をすべての棟で作らないようにしていることでした*2。窓の配置も隣家とはずらしており、お互いのプライバシーを確保していました。囚人のジレンマではありませんが、注文住宅では各人が利益を得ようとして結局良い環境を手に入れられないが、ファインコートは全体利益を最大化するように設計されているようです。これは注文住宅にない建売の利点だなっと思いました。

*1:駅に近い土地はマンションデベロッパーが押さえてしまうので、なかなか個人で良い土地を買うのは難しいようです

*2:マンションだと和室は大抵窓がなくて真っ暗だったりする。

景況感回復なき住宅ニーズ回復

 2010年7月30日のモーニングサテライトによると、戸建て住宅が売れているようだ。キーワードは「景況感回復なき住宅ニーズ回復」である。
都心で住宅価格上昇

住宅市況に底入れの兆しが出てきました。東京の“城南地区”と呼ばれる世田谷区や目黒区では住宅地の実勢価格が今年に入って上昇しています。世田谷の一戸建て分譲地は1億円近い価格にもかかわらず先週即日完売しました。大手不動産販売業者は「リーマンショックの後不動産価格は2割から3割下落し、そこから今は1割上昇した」と話しています。

この背景には、住宅価格が下落し、かつ住宅ローン減税などもあるため、今が住宅の買い頃だということがある。

 一方、郊外に関して言えば、マンションデベロッパーが昨年住宅地購入を控えたことから、戸建てデベロッパーが駅近の土地を取得できている。この土地を使った、立地の良い戸建てが売りに出されている。こちらもよく売れている。

 要するに、景気が良いので住宅が売れているわけではなくて、値ごろ感があるため住宅が売れているのだ。

 さて、今後住宅価格はどうなるのだろうか? 前向きに考えると、住宅が刺激する消費は裾野が広いため*1、住宅市場の好調さが景況感を回復させ、景況感が回復が住宅市場拡大を促すという正のループが回り、住宅価格は今後上昇するであろう。

いずれにしても、住宅ニーズは回復している

*1:つまり、住宅を買った人は、家具や電化製品など様々なものを連鎖購入する。

注文住宅の良いところ・悪いところ

非常に良い中古住宅があったので、仲介屋さんに家を見せてもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20100725/1280052231
今日はその仲介屋さんと話した内容から、気付きを書いてみたいと思います。

その中古住宅はもともとは注文住宅で、オーナーのこだわりを込めた家でした。内見の日、他の見学者が6組ほど見に来ていて*1、中々の人気です。仲介屋さんに「人気ですね、この分だとすぐ売れるんじゃないですか?」と話を振ったところ、「この家はオーナーのこだわり設計が多いので、気に入る人はすごく気に入るが、気に入らない人もたくさんいる」といっておりました。

これって、的を射た意見だと思います。注文住宅の良いところは、自分の好みにカスタマイズできるところで、そのかわり価格が高くなるのが欠点だと、思っていました。でも、売ることを考えると、自分の好みは他人の好みと一致しないため、そのカスタマイズが欠点にもなります。例えば、最近は断熱材をいっぱい入れるのが流行っていますが、中古で買う人にとっては、部屋は狭くなるし価格は高くなるしで、欠点ばかりが目に付くかもしれません。

住宅も奥が深いです。

*1:仲介屋さんは見学者の見学時間をずらしているんだけど、見学後も物件の外観をずっと眺めている人が多いので(私もその一人です)、見学者の数も分かったりします。

中古住宅のメリット

中古住宅って良いと思いませんか?
地盤の不同沈下は住宅に住み始めてすぐ発生し、2年程度で基礎が割れると言います。また、建物の手抜き工事をすると、その歪みはサッシや扉の開けにくさとなって現れます。新築では分からないこれらの不具合が中古住宅だと確認できます。

というわけで、中古住宅を中心に物件を探していた時期があります。

ある中古住宅の話。住んでいる人が建築関係のお仕事をなさっており、設計したのはある偉い設計事務所。そして施工が山崎工務店という知る人ぞ知る寺院仏閣も出がけるカリスマ工務店です。
http://www.k-yamakou.co.jp/

最初の内見でまず驚いたのは、その設計が細やかなこと。すべての扉(それがどんなに小さな部分であっても)戸袋が付いていて、開口部が全開にできるのです。そして、築20年なのに全く歪みがなく、すべての引き戸・扉が滑らかに動きます。

本格的に欲しくなったので、2度目の内見をお願いして歪みの確認をしたところ全く歪みがなかったのです。建設当時の資料を見せていただくと、建設費(土地代含まず)だけで7千万円でした。すごい。そして、部材の1点1点に型番と費用が記されていました。

ちゃんとした注文住宅というのは、(1)何の部材を使ったか、それはいくらであったかの記録が残っている、(2)20年たっても建物の歪みが出ない、というものなんだなぁっというのがわかりました。

注文住宅と建売り住宅の比較 :地盤の観点から

 戸建を手にいれる方法には、注文住宅を建てる方法と建売り住宅を買うほう方があります。どちらも一長一短だと思うのですが、注文住宅には理不尽なリスクがあります。それは、地盤の強さが分からないままに土地を購入しなければならないこと

 注文住宅を建てる場合、土地を購入してそれからハウスメーカに上物(家)を建ててもらうことになります。この土地を購入するときには土地の地盤の固さが分からず、家を建てる段階でハウスメーカさんに地盤の固さを調べてもらうことになります。例えその土地が軟弱地盤であっても、既に購入済ですから後戻りは出来ません、地盤改良を行い家を建てることになります。この地盤改良にお金がかかるのです。もし地盤改良の費用をケチると不同沈下がすぐに発生しますから、強固な基礎を作っても家は傾き、壁や基礎が割れてきます*1。ひび割れからの雨水の浸入が一番家を傷めますので、こうなってはまともには住めません。

 一方、建売り住宅の場合、デベロッパーさんが地盤の調査をしてから家を建てて、売りますので、地盤の不安はないわけです。デベロッパーが地盤調査をサボるのではという懸念も無いわけでは有りませんが、新築建売りの場合、基礎に関しては10年間保障が法律で義務付けられていますから、デベロッパーもサボるわけにはいきません(後からの補修工事は費用が高いため)。

 このように地盤の観点から言えば、建売りを買う方が、注文住宅よりもずっと安全なことが分かります。

安心できる家づくりは地盤から (QP books)

安心できる家づくりは地盤から (QP books)

 

*1:変形角が1/1000を超えるとモルタル壁にひびが入ります、3/1000を超えると基礎が割れます(出典:小規模建築物基礎設計の手引き/日本建築学会 1988)