kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



本の読み方

 勝間和代氏が本を読めと叫んだせいか、「今読むべき10冊の本」的な雑誌記事をここ数年良く見かける。本(ネット記事も)を読むこと自身はとても良いことだと思うのだが、そもそも本を読むってどういうことなのか?曖昧なまま本を読み、「俺はフォトリーディングができるから、本のポイントが頭に残っている」みたいな意味の分からない意見も見かけたりする。

 思考の整理学 (ちくま文庫)の「既知・未知」にて著者の外山滋比古氏は以下のように述べている。

 知的活動には三つの種類が考えられる。
 (1)既知のことを再確認する。以下、これをAとする。(2)未知のことを理解する。これをBとする。(3)全く新しい世界に挑戦する。これをCとする。
 これを読むことに関連付けて考えると、すでに経験して知っていることが書かれている文章を読んでわかるときがAにあたる。
(中略)
 読む側に、知識あるいは経験が先にある。そのあとから、同じ、ないしはよく似た知識が現れる。両者を関連付ければ”わかった”という自覚になる。
(中略)
 (BはAとは違って)下敷きになるものがない。新しい世界に直面する。多少とも了解不能の部分があるはずである。その溝を飛び越えるには、沿いう増力によるほかはない。いくらAの読みに習熟しても、それだけではBの読み方ができるとは限らない。

ファストリーディングやフォトリーディングで読めるのはAだけであり、そのままではいつまでもAとBの間の溝を越えらられない。

 BやCの読みができるようになるには、読書術といったある種のスキルが必要である。このスキルを学ぶには本を読む本 (講談社学術文庫)がとても参考になる。ただし、この本を読むこと自信がBの読みに相当するので、これをフォトリーディングしたりしないことを勧める。