kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



競争戦略からみたリストラ

 「ストーリとしての競争戦略」を読んでいます。そもそも”戦略”ってなんだろうねって所から始まって、「第2章 競争戦略の基本論理」で戦略の説明が分かりやすく書かれている。この章を読んだだけで、考えることがたくさんある。今日はその中で、日本のリストラって結構まずいんじゃないかという話。

 競争戦略には、大きく言うと2つしかない。構造的ポジショニング(SP)と組織的能力(OC)である。構造的ポジショニング(SP)は儲かることだけをやるという戦略。組織的能力(OC)は能力を高めるという戦略。
 全国区ではなく地域に根差したアイドルを目指したのがAKB48をはじめとする秋元康の戦略は、構造的ポジショニング(SP)である。歌唱力とダンスの力をみっちり鍛えた安室奈美恵の戦略は組織的能力(OC)。
 構造的ポジショニング(SP)の良い所は、戦略が当たれば割と楽に勝って行けること。ただし、楽に勝って行けると他人に知られるとあっという間に競争が厳しくなる。ご当地アイドルブームやゆるキャラブームを思い起こすとすぐに旬が過ぎることが分かるだろう。
 組織的能力(OC)の良い所は、激しい競争の中でも勝って行けること。安室奈美恵の真似を誰も真似ができないことからわかるだろう。ただし、能力を身につけるためには時間がかかる。
 ビジネスの世界では”戦略”ブームだ。アマゾンで"戦略"をキーワードに検索すると、1800件がヒットする。この大半が構造的ポジショニング(SP)にものだと思う。構造的ポジショニング(SP)は、結果が早く出る、説明しやすい、分かりやすい、の3拍子が揃っているからだ。特にアメリカ人は構造的ポジショニング(SP)が好きだ。
 リストラとは、頭の悪い構造的ポジショニング(SP)だ本来の構造的ポジショニング(SP)は、儲かるところに(会社の規模を変えずに)集中することだ。儲かるところだけ残して儲からないところを削るリストラは、規模が小さくなる。構造的ポジショニング(SP)は、本質的に旬が短いため、さらにリストラを行うことになり、どんどん会社の規模が小さくなる。だから、”頭が悪い”と書いた。”抜本的構造改革の断行”とか言って行うリストラは、たぶん頭の悪いリストラだ。