kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



戦略について基礎から考えてみる

はじめに

 「戦略」ってなんでしょうね。よく聞くんだけど、意味の良く分からない言葉のトップでしょう。

「戦略」の混乱

 Googleで検索すると、「文化戦略会議」、「『戦略的基盤ソフトウエアの開発』プロジェクト」などいっぱい出てきます。別のg具体例として、ちば戦略的デザイン活用塾の紹介を見ると

ちば戦略的デザイン活用塾

ちば戦略的デザイン活用塾は、中小企業がデザイン戦略を効果的に活用したビジネス展開をしていくための実践的な“術”を学ぶための塾です。公的機関、大学、デザイン分野専門家がさまざまな形で企業のデザイン活用をお手伝いします。

うーん、「デザイン戦略」って何でしょう?一謎が一層深まります。

 今度は、英和辞典で「戦略」を調べてみると、「戦略」の英訳は strategy あるいはplanです。今度は、strategyを英英辞典で調べると、何かを達成するための一連の行動とか、良く考えられた計画 という感じですね。

a planned series of actions for achieving something
skilful planning in general

 日本人が「戦略」と言ったとき、英語のStrategyの和訳程度の意味、つまり「よく考えた計画」という意味なのかもしれませんね。特に海外から言葉が輸入されがちな分野、例えば経営・ITは「計画」という意味で「戦略」と言っている可能性が高そうです。

戦略の定義

 wikipediaによると、wikipedia:戦略の定義について、はっきりしたものはないようです。

戦略の一般的な定義については未だ研究が途上である。ハーバード大学トーマス・シェリング教授は、戦略を勢力の適用ではなく潜在的な勢力の発掘であるとし、取引のプロセスというモデルでこれを説明した。またロジンスキー教授は戦略を「力の総合的な制御」と定義し、戦術はその直接的な運用であると論じた。つまり戦略とは「あらゆる行動の総合的な調整と最適選択」であると考えた。ただし近年では企業経営やスポーツにまで軍事用語の戦略の概念が応用されているために新しく定義され、「長期的・大局的な観点から物事を見通して行動を調整する技術」として再認識されるようになっている。[6]

 戦略の定義がしっかりしている分野は、国家の戦略、軍隊の戦略、経営における戦略、生物学における戦略、ボードゲームにおける戦略、くらいのようです。

ビジネスに関係する活動の戦略

 頑張ってネットを探していると、ガートナーのコラムでIT戦略について述べたものがありました。

ビジネスの具体的な目標にITがどのように貢献するのかを、最初に定義するべきです。

 ビジネスに関する活動、ここではIT(社内システム)戦略は、経営目標が与えられた上でこれにどう貢献するが戦略であると言えそうです。ただし、上記記事を最後まで読むと、ガートナーのIT戦略はメソッドになっておらず、経営目標を達成するためにシステム部門を知恵を絞るという精神論に終止しています。
 さて、これらを基に抽象化して考えれば、IT以外の活動、例えば研究活動や営業活動などにも、研究戦略や営業戦略も考えられそうです。つまり、経営目標を達成するために、研究部門(あるいは営業部門)がどのように貢献するか計画を立てたものが研究戦略と言われているものでしょう。そして、研究戦略を立てる具体的なメソッドはなさそうです。

まとめ

 戦争において戦略に関する理論は発達し、典型的には「敵の弱みを、自分の強みで突く」という論理が確立されました。また、経営においては、コトラーによって「他社と異なる差を自社が有する」という論理がつくられました。しかし、他の殆どの分野では、「戦略」とは「よく考えた計画」以上の意味はなさそうです。また、ビジネスにおいて、経営目標を達成するために、「他社と異なる差を自社が有する」ための「戦略」は、経営者が考えるべきものです。そして、その下位レベルでの研究戦略やら営業戦略という「よく考えた計画」を立てる論理は、いまのところ無いようです。