何故、この本を読んだか?
一見正しそうなこと
一見正しそうなこと、例えば
- きれいに痩せて、あなたもモテモテに
- サブプライムローンは、危険な部分と安全な部分を分けており、安全な部分は利率が低い
- 選挙の政治家の主張で、”消費税増税をやめます。また社会保障を手厚くします。財政再建にも取り組みます。”というもの
色々あります。少し考えれば嘘だって分かるのに、つい信じてしまう。なぜでしょう?ネットのライフハックを見れば、
「印象にだまされず、よく考えることが大切だ」という記事がたくさんあります。でも、「よく考えること」自身が難しいのです。大切なことは分かっているけれど、難しいからできないのです。
では、「よく考える」という難しいことを、どうすればできるようになるでしょうか? それには、まず「よく考える」とはどういうことか知る必要があります。
考えるとは?
「考える」とはどういうことでしょう?
私は、「考える」とは「アイデアを出すこと」と「他人・自分問わず、アイデアを疑うこと」の二つだと思います。
「アイデアを出すこと」においいては、その出したアイデアが正しいことが大切です。そのため、アイデアが正しいか、「アイデアを疑うこと」も大切になります。
また、自分のアイデアは、なにかしら他人のアイデアを基に作られています。そのため、他人の「アイデアを疑うこと」も大切になります。
本書が教えてくれること
「考える」には、「疑うこと」ことが大切です。疑った結果、正しいと判断する、あるいは正しくない、そして分からないと判断することが大切だということを本書は教えてくれます。では、正しいとはどういうときに判断できるのか、その基準を哲学の考え方を借りて本書は示しています。
本書が教えてくれないこと
本書は哲学の本ではない。哲学が使う考える手法を分かりやすく紹介した本である。よって、哲学そのものに興味のある人には、本書は向かない。
本書の内容
疑っていることが、事実に関するものか、価値判断に関するものかを区別することが大切です。例えば、昨日雨が降った、ということを疑っているのであれば、それは事実に関するものです。一方、人のつながりを大切にすべき、というのは価値判断に関するものです。
事実に関するものについては、反証可能性が大切だと紹介している。反証可能性とは、もしとある情報が明らかになった場合にはそれが正しくないという情報がはっきりしていることです。詳しくは本書を読んでください。
感想
反証可能性という考え方がとても興味深い。自分が考えアイデアを出したとき、自分のアイデアが正しくないとしたらどういう情報が示されたときだろうと考えるようにしたい。つまり、自分のアイデアの正しい範囲をはっきりさせたい。
本書の中で大切だと思ったことをまとめる。
- いつ・どこで懐疑主義を用いるかを考えることが大切
- 主張には、事実に関する主張と、価値に関する主張の2種類ある
- 疑うとは、それを間違いだと思うことではない。正しいとも正しくないとも判断を保留した状態である。
- 反証主義がなぜ大切か? それは、自説に愛を持たないように距離を取るため。愛ゆえに自説を信じることは愚か。
- 作者: 伊勢田哲治
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- 作者: 野矢茂樹
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