kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



貧困対策とは、魚の釣り方を教えること。でも、どうやって教えればいいんだ?

 「所得低いほど高い喫煙率、歯少なく肥満者多い」(Yahooニュース)

 低所得層では健診を未受診の人の割合が男性で42%、女性で40%と、高所得層のそれぞれ16%、30%よりも高かった。習慣的に喫煙する人の割合も男性で35%、女性で15%と、高所得層のそれぞれ29%、5%を上回った。さらに歯が20本未満の人や肥満者の割合も、低所得層は男女ともに高い傾向があった。

 
 低所得者について、補助が必要だとか、貧困の連鎖を断ち切るだとか、色んなことが言われている。しかし、このニュースは、その手の低所得者対策が、効果が無いことを示す。
 低所得者は、肥満が多い。では、低所得者に年間100万円を与えたら、肥満は解消されるだろうか?答えは否だろう。低所得であることが、肥満の原因ではないからだ。もちろん肥満が低所得の原因でもない。低所得の原因はもっと別の所にある。
 「クルーグマン教授の経済入門」(筑摩書房)は、ノーベル経済学者のクルーグマンが記した経済の本だ。経済学的に、つまり統計的には、低所得者に金銭的な援助をしても、何も起こらないことが分かっている。援助された金を使って、商売を始めるとか、勉強するとか、貧困から抜け出す活動は殆ど起こらない。これが何故なのか、実は誰にもわかっていない。
 貧困対策とは、なんだろう? 低所得者に金を配ることだろうか? 
 経済学あるいは政策問題としての貧困対策とは、低所得者が貧困を抜け出し、低所得者の数を減らすことだ。例え話でいうなら、空腹で倒れている人に、魚を釣って与えるのではなく、魚の釣り方を教えてあげる。これが貧困対策だ。ところが、どうすると、低所得者が減るのか誰にもわかっていないのだ。

クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)

クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)