kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「海の底」:言い訳して逃げてた過去を無かったことにしたハッピーエンド

有川浩さんの「海の底」の感想です。

 

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

 

  最後のページ。このセリフに、物語の全てが連なっている。

初めまして、本日ご案内いたします夏木大和二尉です。よろしくお願いします」

 

  人が「初めまして」というとき、それが初対面であろうとなかろうと「よろしくお願い」したいときに言うものだ。

 特に初対面でない相手に向かって言われるとき、それはこ「れまでのことは無かったことにしたい」という気持ちが込められている。

  お互いの行き違いの過去を「無かったことに」できたとき、彼女はほっとしたように笑った。その笑顔を見て夏木は思う。

頼むからそんなふうに笑うな。言い訳が全部ひっぺがされてもう逃げ場がない。

普通に綺麗だとか思っちゃうだろうが。

 

「海の底」にはそんな言い訳が綴られている。