kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「実践行動経済学」:あのGoogleも使っている、小さな仕掛け(ナッジ)で大きな効果をあげる方法

 一見正しそうなことを信じて、損していませんか?


 勉強して成績を上げた、ダイエットして痩せた、投資をしてお金を儲けた。こんな成功話がネットを探せばイッパイ出てきます。あの人はこうやって成功したとか、あの人だけが知っているたった一つの成功の法則とかいった情報です。
 あなたがこれらの真似をしてもうまくいきません。だって、勉強を続けることが難しくて挫折してしまうでしょ?ダイエットだってそう。続けることが難しいためです。
 これはあなたの意志が弱いからではありません。人間はみんな意志が弱いのです。

 こんな意志の弱さを研究したのがアメリカの経済学者のリチャード・セイラ教授です。彼は、この研究で2017年にノーベル経済学賞を受賞しています。
 難しい経済の話は横に置いて、彼が素人向きに楽しく分かりやすく書いたのが「実践行動経済学」です。書いてあることは簡単。

  • 人間は、結果がすぐに表れないとき、うまく行動できない
  • 人間は些細なことに影響を受ける

勉強が難しいのは、勉強してもすぐに賢くなるわけではないからです。ダイエットが難しいのは、お菓子を食べてもすぐに太るわけでないからです。お酒を飲みすぎるのもすぐ二日酔いになるわけでないからです。

 しかし、例えばダイエットなら、玄関に鏡を置く、部屋にあこがれのスタイルのモデルのポスターを貼る。こんなちょっとしたことで、つい食べ過ぎることをなくせます。人間はちょっとした些細なことに影響を受けるのです。

 ノーベル賞を受賞したセイラ教授は、人間は些細なことに影響を受けることの研究をし、その影響をうまく利用する方法を述べています。これを「ナッジ」(ちょっとした仕掛け)と呼んでいます。
 朝起きるときの目覚まし時計はベッドから離れたところに置く、勉強を続けるために友達と少額の賭けをする、お金を貯めるために毎月天引き用の銀行口座を作る(そして少額ずつ貯めていく)など。こんなちょっぴりした仕掛けがナッジです。
 このちょっぴりした仕掛け(ナッジ)をすれば、勉強、ダイエット、投資であなたは得をすることができるのです。ナッジは、ちょっとした仕掛けで大きな効果があります。

 ナッジは目立ちません。そのため、悪用されれば損をすることもあります。
例えば、携帯電話の料金プラン。最初の2年は安いけど、それ以降は高くなりますよね。あなたが、料金プランを2年に一度見直せば料金は安いままです。でも、人間はそんなに勤勉ではありません。大抵の人は2年経っても同じ料金プランを続け、知らず知らずに不当に高い料金を払い続けて、損をしています。
あなたがナッジを知っていれば、そんな不当なナッジを見破り、損をすることはありません。

 この本は、ちょっぴりした仕掛けで大きな効果のナッジについて、ノーベル賞を受賞したセイラ教授が誰にでも分かるよう書いた本です。

 

実践 行動経済学

実践 行動経済学

 

 


追伸
 あのGoogleも職場でナッジを使っています。会社で従業員がより良く働けるようちょっとした仕掛け(ナッジ)がオフィスに沢山あります。詳しくは次の本をどうぞ。

 

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える