人には色々な悩みがあります。例えば、
そんなとき、どうしようかと悩んでしまいますよね。
本書「反応しない練習」は、なぜ悩んでしまうのか、その悩みをなくすためにはどうすれば良いのか具体的に記しています。
悩む理由をまとめると次のようになります。
人が悩んでしまう理由の一つは、「判断しすぎる心」にあります。
「判断」とは、この仕事に意味があるとかないとか、人生は生きている値打ちがあるとかないとか、彼と自分を比較すれば、どちらが優れている、劣っているといった「きめつけ」「思い込み」のことです。
本書のキーワードは、”妄想”です。「きめつけ」や「思い込み」により、人は余計な”妄想”をし、この”妄想”により悩みます。「うまくいかないとき、どうせ私なんかダメなんだ」と思うときがありますよね。これが"妄想"です。
気分をコントロールする認知療法の名著「いやな気分よ、さようなら」では、”自動思考”により人はいやな気分になると書いています。まさにこの自動思考と”妄想”は同じものです。西洋の心理学者の書いた本と、本書に共通点があることに面白いと思います。
悩まないためには、"妄想”をやめることが大切です。そのためには、
- 自分が"妄想"していることに気づくこと
- 気づいた”妄想”をやめること
の二つが必要です。
"妄想"は、自動思考です。そのため、自分が”妄想"していることに気づくことは、難しいものです。「いやな気分よ、さようなら」では"妄想"に気づくための方法を中心に紹介しています。
一方、本書では気づいた"妄想"をやめる方法にを中心に記しています。同じことを何度も考えてしまうことがあります。やめたくてもその考えが頭から離れない。このように”妄想”をやめることは、分かっていても難しいものです。”妄想”をやめるために、身体の感覚に意識を向ける方法を本書は勧めています。この身体の感覚に意識を向ける方法は、簡単に言えば”マインドフルネス”です。身体に意識を向けることで、"妄想"から意識をそらします。
本書のタイトルに「反応しない練習」と”練習”が付いている通り、”妄想”をやめるには、練習が必要です。練習のために、本書を繰り返し読むと良いでしょう。一度読んだだけでは、練習が続かないときってあります。手元に本があって、なんとなくたまに読み返すと、内容が頭に馴染んで練習が続きます。
感想
「やればできる」、「結果が全て(成果主義)」などの言葉で、人は”妄想”する心のクセをつけます。本当は結果なんてコントロールできないのに、これらの言葉は努力することで結果がコントロールできるような”妄想”をする心のクセが私たちについてしまいます。そして、この心のクセによる自動思考で、様々なことに対して”妄想”するようになってしまいます。こうして、"妄想"により、人は無駄に悩むようになります。
「いやな気分よ、さようなら」と本書が共通して、この考えをもとにしていることが面白い。「いやな気分よ、さようなら」が”妄想”に気づく方法を紹介し、本書がその気づいた”妄想”をやめる方法を紹介しています。
また、”妄想”をやめる方法が、”マインドフルネス”と共通点があることも面白い。
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