kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



スマートフォンがつまらなくなっていく、PCの後を追っていく

 スマートフォンの終わりが始まった。

 出荷台数が前年割れしたのだ。企画部門にいる人間ならこの意味は分かるだろう。今後スマートフォン関連の研究開発投資が細っていく。

www.sankei.com

米調査会社IDCが1日発表した2017年のスマートフォンの世界出荷台数(速報値)は、前年比0.1%減の14億7240万台となった。

 

スマートフォンの出荷台数が今後増えない理由

 2017年のスマートフォンの出荷台数は約15億台。世界の人口が76億人と言われているから、全世界の人がスマートフォンを持ったとして5年に一度の買い替えサイクルの出荷台数になった。この数字を見ると、今年だけが特別売れなかった年という訳ではなさそうだ。

 2007年にiPhoneが登場してから、スマートフォンという製品も11年目となった。そろそろ成熟製品となっていい頃合いだ。

 新しいiPhoneが発売されてもワクワクしなくなったのはいつ頃からだろう?iPhone7からかな。今の機種で不満はない。新機種に買い替えるのは、今の機種が壊れてからでいい。みんなそう思い始めている。

 ゲームもサクサク動く、動画も見れる、カメラも奇麗だ。今更買い替える理由がない。もちろん新機種はかっこいいし、欲しいよ。だからって、10万円近い金を出すほどじゃない。

 昔、PCがこうだった。みんな新機種が出るたびにワクワクした。新機種は速いし快適だった。でも、PCの性能が上がってくるにつけて今で十分と思うようになった。今ではPCの新機種がいつ出たかなんて誰も気にしていない。手持ちのPCが壊れたら買いに行く、そのときにどれにしようか考える。

 スマートフォンも同じだ。新機種が出たからってワクワクしない。どうせできることは同じだ。

 こうして、スマートフォンの買い替えサイクルは伸びていく。それに伴い、スマートフォンの出荷台数は年々減っていくだろう。

 

これからのスマートフォン

 新機種にワクワクしなくなった理由は。性能が上がり過ぎたからだ。appleやサムソンのようなメーカーだって困っている。次の新機種の新機能は何にしよう?いいアイデアが浮かばない、そんな状態だろう。

 一般論で考えると、今後のスマートフォンの進化の方向は5つしかない。

  • 軽くなる
  • バッテリーの持ちがよくなる
  • ディスプレイが奇麗になる
  • 落としても壊れにくくなる
  • カメラが奇麗に写るようになる

 これらは一気に進まない、ジワジワと性能があがるものばかりだ。部品屋さんの長い研究開発が必要なものばかりだからだ。

 

投資が減る

 これまでスマートフォンが急激に性能を上げていった理由は、売れるからだ。正確には毎年売り上げ台数が伸びていたからだ。

 こういう状況だと、部品メーカーの企画部門は、スマートフォン向けの部品の開発に先行投資しやすい。市場が伸びているなら、先行投資しても回収できる可能性は高い。ところが、市場が伸びていないと先行投資するのは難しい。性能よりも価格への要求が大きくなるからだ。

 こうして部品メーカーが研究開発費を絞ると部品の性能は上がらず、スマートフォンの性能も上がらなくなる。

 

負のフィードバックループが回る

 投資のされなくなった部品、それを組み合わせてスマートフォンは売れなくなる。すると、ますます部品に投資がされなくなる。負のフィードバックループが回る。

 これはスマートフォンに限ったことではない。PCやデジタルTVだって、同じことが起きた。みんなが通る道なのだ。それだけに、この道から外れるのは難しい。

 

困った、、次のアイデアがない

 11年前にiPhoneが出てきたとき、みんなが何に驚いたかというと、マルチタッチパネルを使ったユーザーインタフェースにだった。携帯電子端末に電話機能を付けるというアイデアは随分前からあった。だから、何を作ればいいかは分かっていたんだ。それをどう作ればいいかが分からなかった。

 今は状況が違う。次に何を作ればいいか、アイデアがない。困った状況だ。Watchが転んだのが痛かった。かろうじてAR(Augmented Reality)やAI(人工知能)がネタとしてあるだけだ。しばらくはこれでなんとかするんだろう。

 

まとめ

 スマートフォンの終わりが始まった。

 この先スマートフォンをどう進化させればよいのか、良いアイデアはなさそうだ。ジワジワと特性は上がるだろうが、再び勢いを取り戻すのは難しい。

  • 軽くなる
  • バッテリーの持ちがよくなる
  • ディスプレイが奇麗になる
  • 落としても壊れにくくなる
  • カメラが奇麗に写るようになる