kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



ルーブル美術館展で、肖像画の目的を知る

  「ルーブル美術館展」を国立新美術館で見てきた。キャッチフレーズは「ルーブルの顔」。テーマは「肖像芸術、人は人をどう表現してきたか」。

 

  肖像画って、誰が何の目的で書いたのでしょうね?

  今はスマホのカメラを使って、人の写真を簡単に撮ることが出来ます。人の写真を撮る目的は、個人的な記念だったり記録だったりします。一方、ギリシャ時代など大昔は肖像画を書くのは大変なことです。そんな大変なことを誰が何のためにしたのか。よく考えると不思議です。

 

  展示会では、5つのセクションに分けて、この謎を説明しています。

  最初のセクションは、エジプトのミイラにつけられたマスク。古代エジプトでは死者が来世で永遠に生きることを願い、その人の顔を表現したマスクで棺を飾った。これが肖像画の起源。マスクはその人に似せて作られたわけではなく、永遠の生にふさわしいよう理想の顔が描かれていた。

  二つ目のセクションでは、「人の存在を記憶する」ための肖像画を説明しています。このように生きた人の姿を、その人の死後も残して伝えることが目的。そのため、肖像画はその人に似せて描かれます。

  三つ目のセクションは、権力の顔。王や貴族、皇帝など、地位のある人々の権力を民衆に示すことが目的。そのため、彼らの力の強さや身分の高さを示すため、軍服をきている姿や馬に乗っている姿、あるいは豪華な衣装を着ている姿などが絵が描かれます。ナポレオンの軍服を着ている肖像画が代表的です。

  四つ目のセクションは、自由。時代の流れとともに、王や皇帝だけでなく幅広い身分の肖像画作られるようになっていきます。そうなると新しい時代の流行を取り入れて自由な肖像画が作られます。夫人の肖像画や、家族の肖像画が作られます。

  五つ目は、アルチンボルドについて。アルチンボルドは、人の姿を人でないもので表現しました。俯瞰して絵全体を眺めると人間なのですが、目や唇といった部分部分をみると花だったり植物だったりします。つまり一つの絵がいく通りにも解釈できるという、肖像画としては矛盾を孕んでいる。

 

まとめ

  これまで肖像画を、誰が何の目的で作らせたかなどと考えたことは無かった。それだけにこの展示会は面白かった。

f:id:kota2009:20180721175940j:plain