kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



読書

「正しい」とは何か?

COVID-19感染防止のため家にいる時間が長い。せっかくなので、本をたくさん読んでいます。昔読んだ時は分からなかったことが今読み返すと分かることも多く楽しい。 ニーチェが”正義とは弱者の逆恨み”(超意訳)と言ったように覚えていたことも、いま読み返す…

外出できないからこそ読み返したい良い本

COVID-19感染対策のため外出自粛が要請されています。外出しないからこそできることと思い、良い本を読み返しています。繰り返し読むために厳選した本を紹介しておきます。 第一位 7つの法則 完訳 7つの習慣 人格主義の回復 作者:スティーブン・R.コヴィー …

サピエンス全史をざっくりまとめる

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/16 メディア: Kindle版 サピエンス全史を繰り返し読んでいる。世界のリーダー、ビルゲイツやオバマ元大統領などが好んで読ん…

『「明日の子供たち」(有川浩)』:文章の構成が見事で2度読める本、そして有川浩らしくない辛口なストーリをしっかり読みたい

明日の子供たち (幻冬舎文庫) 作者:有川 浩 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/04/10 メディア: 文庫 文章構成の素晴らしいお話です。そして本の目的がユニーク。 小説の舞台は児童養護施設。児童養護施設と聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべま…

「キケン」(有川浩)は、少女漫画なのだと思った

キケン (新潮文庫) 作者:有川 浩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/06/26 メディア: 文庫 これは、西南大学の機械制御研究部、略称「キケン」を舞台に描かれる青春物語。 主人公たちは、工学部にありがちなほぼ男だけの大学生活を送る工学男子。無茶や…

『形容詞を使わない 大人の文章表現力』(石黒圭):文章を上手に膨らませるための本

形容詞を使わない 大人の文章表現力 作者:石黒圭 出版社/メーカー: 日本実業出版社 発売日: 2018/02/09 メディア: Kindle版 「形容詞を使わない」という切り口が斬新で買った本。本書は、文章表現を増やすノウハウ本だ。でも、単なる表現のことだけでなく、…

『祝祭と予感』(恩田陸)は、『蜜蜂と遠雷』の後のデザート

祝祭と予感 作者:恩田 陸 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2019/10/04 メディア: 単行本 直木賞と本屋大賞のダブル受賞した『蜜蜂と遠雷(恩田陸)』のサイドストーリーが、この『祝祭と予感』で、6つの短編が収められている。 「祝祭と掃苔」:栄田亜夜とマ…

小説「蜜蜂と遠雷」(恩田陸):ストーリだけでなく表現を追いたい小説

映画「蜜蜂と遠雷」が良かったので、小説も読みました。kota2009.hatenablog.com ピアノコンクールを舞台にした小説。多くのピアニストがその腕前を競い、審査員が彼らの演奏を評価する。コンクールが1次予選、2次予選、3次予選、本選と進む中で、コンテスタ…

「絵を見る技術」(秋田麻早子):絵を見るポイントのまとまった本

絵を見る技術 名画の構造を読み解く 作者: 秋田麻早子 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2019/05/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 知っていれば、もっともっと楽しめる あなたは、絵を見に行くことはありますか? 実の…

繰り返し読んだ「レトリック感覚」(佐藤信夫)

レトリックとは、“比喩”あるいは言葉の”あや“のこと。メタファーとも呼ばれる。これに似たものに例え話がある。 レトリックには様々な技法があり、これは「レトリック感覚」(佐藤信夫)によくまとまっている。ネットの情報は断片的で浅い知識で書かれている…

「チルドレン」(伊坂幸太郎)はあっさり軽いストーリ

チルドレン (講談社文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/05/15 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 68回 この商品を含むブログ (451件) を見る 強烈な個性を持つ男、陣内。盲目の紳士、永瀬。大いなる凡人、武藤。サブマリンに登…

「サブマリン」(伊坂幸太郎)は読書感想文の題材に最適だ。

サブマリン (講談社文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/04/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 読書感想文を書くのにピッタリの本。そう思った。 読書感想文では感想を書いてはいけない 読書感想文で、好き・嫌い、良…

コミック「君に届け」を一気読みした

コミック「君に届け」、全30巻を一気読みしました。優しい気持ちになるコミックです。 このコミック原作で同名映画が多部未華子さん主演で撮られており、これが良かった。多部未華子の暗い演技と三浦春馬の爽やかさんの演技が見ていて心地いい。 君に届け プ…

「暴走する能力主義 教育と現代社会の病理」(中村高康):こじらせやすい理屈を整理する

コミュニケーション能力ありますか?コミュニケーション能力を気にする人が多いようです。OECD(経済協力開発機構)が定めた大切な9つの能力(キーコンピテンシー)にも、コミュニケーション能力は選ばれているくらいですから、コミュニケーション能力が無い…

東京さんぽ図鑑:散歩が3倍楽しくなる

東京に引っ越ししてきた人には、東京散歩を勧めることにしています。歩きながら街を眺めると、東京に馴染むことができます。 流行りのレストランやショップを巡るのも楽しいし、また歴史のある建物を見ながら散歩していると“ブラタモリ”気分を味えます。 東…

「ライカとモノクロの日々」(内田ユキオ):写真家の思考のレンズが垣間見える

「これ、スタンバイミーで森を行く3人みたいでカッコ良くないですか?」彼は自分の撮ったスナップ写真を聴衆に見せながら言った。その写真には、男が3人横に並んで一本道を進んでいる。 彼は写真家内田ユキオ。富士フィルムのトークショーで、新製品カメラで…

「ファシズムの正体」(佐藤優):ネットには載っていないファシズム

「ファシズムの正体」は、ファシズムを知る教科書だ。 ファシズムに関するネットの情報は、貧相でかつ混乱している。ファシズムの定義が定まっていないことと、侮蔑語として「ファシズム」と言う言葉が使われがちなためだ。誰かを批判したいとき「ファシズム…

なぜこんなに生きにくいのか(南直哉):自分を苦しめる思い込みに気づくため読んでおきたい本

思い込みをしない。誰でも知っている言葉ですが、実行するのは難しい。思い込みをしないためには、自分とは別の考え方を知ることです。 オンリーワンになることはナンバーワンになることよりもキツイなど、この本には思い込みをしないためのヒントが記されて…

「予想通りに不合理」(ダン・アリエリー):人は不合理という弱点を持ち、他人から操作される

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/08/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 本書…

岩合光昭の世界ネコ歩き2:普通じゃ見れない猫の表情と背景が優れものの写真集。見応えあります。

世界的な動物写真家である岩合光昭さんが世界の猫を撮った写真集「世界ネコ歩き2」。 猫は誰が撮っても可愛いので、プロカメラマンにとっては難しい被写体。より可愛く撮るコツはなんだろうと興味津々で購入した。 中を見てみると、さすが岩合さん。普通の写…

小説のストラテジー(井上亜紀):芸術を楽しむとは、表面を味わい尽くすこと

本書は、小説を楽しむとはどういうことかを記した本である。その焦点は、娯楽小説ではなく芸術小説に向けられている。 皆さんは、村上春樹の小説を面白いと感じているだろうか?意味がわからないと思って読んでいる人はいないだろうか?私は、よく分からない…

有川浩の「シアター」:情熱の劇団と距離を取る二人の淡いロマンス

有川浩の「シアター」には二種類の人間が登場する。情熱を持った人と、常識を持った人だ。 劇団シアターフラッグのメンバーは情熱を持って芝居を作り上げていく、「作れる」人たちだ。その主催者の春川巧は甘えん坊で実務能力はゼロ。劇団メンバーも芝居への…

有川浩の「阪急電車」:ローカル列車を舞台にゆるく繋がる短編集

阪急電車は、京阪神地区の人には馴染みがあるでしょう。しかし、今津線に乗ったことがある人は少ないのではないでしょうか。今津線は、阪急電車の中で飛び抜けてローカル列車の雰囲気を持った片道15分の短い路線です。 そのローカル列車の中で繰り広げられる…

「9プリンシプルズ」(伊藤穰一):技術・社会変化の可能性に気づく感度を高める

「9プリンシプルズ」(伊藤譲一)は、社会の行動原理が変化していることを示し、その変化に気づく術を教える本です。 あなたは、ものを買うとき・レストランに行くとき何を参考にしていますか? ネット上のユーザレビューを参考にして買うか買わないかを決め…

「大人のための国語ゼミ」(野矢茂樹):文章が上手くなりたい熱意のある人に最適

私がこうしてブログを書いているのは、文章にすることで思考がはっきりさせる練習をするためです。 言いたいことを一つに絞り、それが何故なのか理由と根拠を示す。これが文章を書くことだと思います。はてなブックマークやtwitterのような短文では脊髄反射…

「ストーリーセラー」(有川浩):作家の幸せと死を優しく描いた小説

断筆あるいは筆を置く、作家にとっての終わりを意味する言葉だ。パソコンや音声入力のある現代においてこれは古い言い回しに思える。本当の作家の終わりは、筆を置くことではなく考えなくなることだ。 有川浩の「ストーリ・セラー」は、読書家の夫と作家の妻…

小説「空飛ぶ広報室」(有川浩):自衛隊員は人間である、当たり前のことが分かる本

ドラマ「空飛ぶ広報室」をTVで見たのは随分前だ。綾野剛と柴田恭兵が熱演で毎週楽しみに見ていていた。新垣結衣はヒロイン役だったけど、冒頭数回は”新垣結衣”を出し過ぎでドラマの中で浮いていた。演出が悪い。また、ムロツヨシは当時全然売れていなかった…

Hey Siri 世界を変える仕事をするにはどうすればいいの?:Siriを作った会社のイノベーションの秘密

″Hey Siri 世界を変える仕事をするにはどうすればいいの?″-新規事業を立ち上げ、育て、そしてトップになるための手引き- 作者: ヘンリー・クレッセル,ノーマン・ウィナースキー,長澤英二 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社 発売日: 2017/12/09 メディア: 単行…

「社会調査」のウソ(谷岡一郎):ネットのウソ情報に気づく力をつける本

gendai.ismedia.jp 『平均年収186万円、日本に現れた新たな「下層階級」』、こんな見出しを見ると記事の中身を読みたくなりますよね。「平均年収186万円」という数字が書いてあるため、本当らしく見えるのです。 でも中を見ると、この記事には平均年収をどう…

あなたの話はなぜ「通じない」のか(山田ズーニー):あなたを相手に伝えたい、そんなコミュニケーションの本

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫) 作者: 山田ズーニー 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/12/01 メディア: 文庫 購入: 50人 クリック: 240回 この商品を含むブログ (129件) を見る 「何を言うか」よりも「だれが言うか」が雄弁な時があ…