財務諸表というのは、分かったつもりになっても分からなくなるものである。これまで何度か勉強を試みたが、しばらくすると忘れてしまう。また、「簿記が分からないと、財務諸表は分からない」という知り合いもいる。
それでも分からないままにしているのもまずいと思い、「財務3表一体分析法」を読んだ。この本は、企業の活動を
- お金を集める
- 投資する
- 利益を上げる
重要な指標を
財務諸表の分析方法を
- どうやってお金を集めているか
- それを何に投資しているか
- その投資した資産をいかに効率よく売り上げに変えているか
- その売上高をどのように利益に変えているか
- 以上の事業プロセス全体の中で現金がどのようにうごいているか
とざっくり割り切っていることで、財務諸表分析を分かりやすく説明している*1。
第3章でドリルと称して、電機業界、百貨店業界、飲食業界、携帯電話業界等の分析を載せているところが、さらに理解を深めるのに役立つ。
この本を読む人は、読む前に「何故自分は財務諸表が分かりたいのか?」自問することをお勧めする。経理部門で働いている、あるいは投資をしたい、あるいは教養としての知識が欲しい等、色々理由はあると思うが、教養としての知識が欲しい人に適したレベルの本である。
財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方 (朝日新書)
- 作者: 國貞克則
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: 新書
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*1:重要指標と分析方法が1対1対応しないので、これらの対応付けには頭を働かせる必要がある。