NHKスペシャルシリーズマネー資本主義が面白い。
第4回では、サブプライムローンが暴走する構図が分かりやすく説明されている。簡単には、
債権の証券化を行い、債権のデフォルトが生じた際にかぶるリスクに応じてリターンを設定した。(1つ目の債権がデフォルトした場合にリスクを被る証券、2つ目の債権がデフォルトした場合にリスクを被る証券、という風に何番目のデフォルトでリスクをかぶるかを決めておくと、ハイリスク・ハイリターンの証券とローリスク・ローリターンの証券を作ることができる)。
好調なアメリカ経済の下では、デフォルトが発生しなかったため、多くの投資家が証券を欲しがった。そのため銀行は多くの人に金を貸し債権を作った。このループが回ってバブルができた。
さて、債権の証券化において、各債権のデフォルト確率は独立に発生するという仮定の下に、リスクが計算されていた。ところが、景気の先行きが怪しくなると、銀行が一斉に貸し渋ったため、デフォルトは独立発生であるという仮定が成り立たなくなった。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/money.html
工学をやっているものは、現実をモデル化した際のモデルか誤差とモデル化の成り立つ範囲に注意を払うものである。なぜなら、
- 複雑なモデルは、解ける数式で表せない
- 単純なモデルは、モデルか誤差が大きいあるいはモデルが成り立つ範囲が狭い
ということを知っているからである。
金融工学の利用者である銀行や投資家が、そのモデルの誤差・成立範囲に注意を払わなかったというのが、サブプライムローンの原因であろう。