kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



インターネットが運ぶもの

 通信技術の歴史を振り返ると、それが運ぶコンテンツという視点で分類が可能である。

通信方式 コンテンツ
モールス通信 テキスト情報
電話 音声情報
FAX 静止画情報
インターネット 動画(マルチメディア)情報

 インターネットの次の技術を考えるに当たって、それが運ぶ次のコンテンツが見当たらないのが現状であろう。次のコンテンツが見つからないまま次の技術を論じても、やはり目新しさは無く、モバイル・QoS・認証・暗号・広帯域といったところに論を向けがちである。

 一方、携帯電話を見ると、固定通信と移動通信のトラヒック量の推移を比較して移動通信のデータ量は固定通信のそれと5〜7年遅れているが同じ形で推移しているというデータを引っ張ってきて、移動通信の高速化が次の技術と論じている。この流れでLTELTE-Advancedの検討(投資)が正当化されている。

 こうやって眺めると、固定通信がADSL 1Mbpsでユーザの高速化の欲求をほぼ満足させている*1様子から移動通信への高速化の要求も1Mbps程度でとまるのではないかと考えられる。

 このように考えると、高速化へのユーザニーズはそれほど期待できない。

 そこで考え方を変えて、今後の通信技術の発展の方向を考えるに当たり、インターネットとそれ以前の通信で何が変わったかを、コンテンツの種類ではなく、コンテンツの質で考えると、インターネットでは不特定多数向けのコンテンツの量の多さに特徴があると思う。それが口コミであったり、コミュニティであったりするのではないかと思う。このように考えると、携帯電話は極めてパーソナルな端末であることに特徴がある*2。これにより、不特定多数向けのコンテンツをパーソナライズしてマッシュアップして発信する方向に技術が向かうと予想する。

 最近、コロブラという携帯サービスに注目している。以下の点が注目ポイントである。

  • ユーザの位置というパーソナルな情報を中心としていること
  • ユーザの実世界の行動への働きかけを行っていること(リアルへのバリューチェーン構築)

http://colony.livedoor.biz/

*1:HD品質の動画コンテンツを運ぶにはもっと速度が必要であるが、携帯電話の画面でHD品質が必要かについては不明なため、まずは移動通信におけるHD動画は想定外においている。

*2:固定電話は一家に一台だが、携帯電話は一人に一台である。移動できることよりも一人に一台という点に固定電話と携帯電話の大きな違いがある。