クラウドに関わる業界のゲームの構造がそろそろ固まってきたように思う。そこで、一度ゲームの構造をまとめておこう。
技術的には、大規模処理を実現するために、並列処理に重きを置いたアーキテクチャをとっている。これほどの並列システムが実現できたのは、ACIDを捨ててBASEに発想を切り替えたところにあり、この発想の転換がブレークスルーである。ACIDを維持したまま並列度を上げることが出来ないのはCAPの原則により明らかであるため、ACIDからBASEへのジャンプは今にしては当たり前であるが、いざそれを行うのはビジネスロジックとしてメイクセンスするかが未踏であるため、ずいぶんな挑戦であったと思う*1
ご存知のとおり、BASEではデータ一貫性を要求するリアルタイム処理は向かないので、銀行業務には向きません。つまり、クラウドにも不得手な処理があることはよく認識すべきです。また、インターネットにて接続されたシステムであるのでその稼働率はインターネットの稼働率(99.99%)に制限されます*2。クラウド万歳などいって思考停止に陥ってはいけないのです。
さて、次にビジネスバリューチェーンとしては、
- クラウドを提供するもの(Google, amazon, etc)
- クラウド提供者にハードウエアを提供するもの(Dell, etc)
- クラウド提供者に通信回線を提供するもの
- クラウドを使用するもの(ユーザ)
- クラウド使用者にシステムインテグレートするもの(IBM, etc)
これらの中で最後に生き残るのはどれでしょうか?個人的にはクラウドを使ったシステムインテグレータだと思っています。
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