kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



人の行動をコントロールするテクニック 「影響力の武器」

 買う気のないものをつい買ってしまった。あなたは、そんな心当たりが無いだろうか? お笑い番組の後ろにわざとらしい笑い声が挿入されているのを不思議に思ったことは無いだろうか?

 世の中には、知らず知らずのうちに私たちの行動に影響を与え、思うがままに行動をコントロールしようとしている人たちがいる。「影響力の武器」は、そんな私たちの行動に影響を与えるテクニックを整理した本である。この手の本は他にもいくつかあるが、例が豊富で分かりやすいこと、学術文献を引いていて実証に基づいた記述になっていること、そして何故私たちは影響を受けてしまうのかという根本原因に触れているという3点において、本書は類似書より秀逸である。

著者によれば、私たちの行動に影響を与えるテクニックは6つに分類できる。返報性、社会的証明、一貫性、好意、権威、希少性である。

例えば、好意に関して、車のセールスマンの例が挙げて説明が行われている。ある調査によれば、人間は好意を持つ人の意見に従いやすいという傾向がある。また、別の調査によれば、共通の目的をもった人間同士が繰り返し会うとお互いの好意が深まる。(ここで気付いた人は勘が良い)車のセールスマンが安く車を買うという「共通の目的」のために、彼の上司と繰り返し交渉するのは、あなたの好意を獲得するためなのである。好意を獲得してしまえば、あなたはセールスマンの言うがままなのである。

この本を読んだ気付きは、この類のテクニックは100%他人をコントロールするものではないということである。つまり、コントロールできる確率をずいぶん上げるものではあるが、100%ではない。だから、テクニックを試してみてうまくいかないからといって、すぐあきらめてはいけないのだ。

この本は久しぶりに夢中になって熟読してしまった。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

こんな類似書もありますが。。

人たらしのブラック心理術 (だいわ文庫)

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