はじめに
持ち家が得か?それとも賃貸が得か?これは永遠の問いであろう。なぜなら、この比較は関連するパラメータが多くて、一般論としてどちらが得か答えが出ないのである。そのため、物件を具体的に決めてシミュレーションをすることが大事である。
私は、現在住宅購入を考えており、色々な物件を調べている。そこで、一例でしかないが、現実に私が検討している物件を対象にシミュレーションを行ってみる。
まず、条件を明記します*1。
マンション
- 駅徒歩 10分
- 占有面積 70 m^2
- 価格:4000万円
- 共益費+修繕積立金:2.5万円
- 駐車場:2万円
- 固定資産税:40万円
賃貸
- 駅徒歩10分
- 占有面積:69m^2
- 賃料:13万円
- 共益費 1.2万円
- 駐車場:2万円
- マンション築10年
手持ち資金
- 2000万円
マンション購入のシミュレーション
手持ち資金を頭金にして、残りの2000万円をローンとします(20年ローン)。ここでローン金利は、労金の変動利率1.075%とします。さらに購入マンションを20年で2000万円で売却するものとします。
すると、20年後の手元に残る資金は以下の式であらわせることになります。
マンション売却金額―ローン返済額―ランニングコスト(固定資産税+共益費)
=2000-2235-((2.5+2)*12+40)*20
=−2115万円
賃貸のシミュレーション
賃貸の方は、手元資金を大口定期で運用したとすると0.5%の金利です。
手元資金 + 手元資金の運用益―賃料ーランニングコスト(共益費)
= 2000 + 198 – 13*12*20 – (1.2+2)*12*20
=-1698
まとめ
現在私が検討している物件に関しては、賃貸の方が20年で500万円ほどお得という結果になりました*2。ただし、以下の点で新築マンションに不利な仮定をしているので、まぁコスト的には同じかなという感じです。
- マンション購入は新築物件の購入を仮定しているが、一方賃貸は築10年物件である(築年数の違い)。
- マンションを購入した場合の固定資産税を20年間一定としている(固定資産税の過大評価)
上に加えて、20年先に社会がどうなっているのか分からないので、現実はシミュレーション結果と比べて大きくぶれるはずです*3
合理的な判断をするならば、いま検討している物件に関して言えば、マンションを購入するか賃貸で住むかは、コスト的に同じ(誤差の範囲)。コスト以外の基準で意思決定するのがよい、ということになります。