kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



高断熱住宅のエアコン選び

住宅のモデルハウスに行くと、20畳を超える広いリビングがあったりする。この広い空間の空調にはどんなエアコンをつけるのだろう?業者に尋ねてみると、大きいエアコンを一台つけるよりも小型のエアコンを2台つける方が電気代は安いよ、と教えてくれました。これって本当だろうか?

調べてみると、エアコンのコンプレッサを回しているモータの効率は、ある特定の回転数で最大となり、低速回転では効率が悪い。つまり、エアコンは弱運転が苦手なのである。

もう少し調べてみると、さくら事務所さんのホームページから以下の資料をみつけました。

独立行政法人 建築研究所
住宅にかかわる省エネルギー手法の可能性
環境研究グループ 上席研究員 桑沢 保夫
http://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h19/panel/1.pdf
(9ページ目)

居間で測定した結果は、カタログ性能程度と見ることが出来るが、寝室で測定した結果は、平均的にはカタログ性能の半分も出ていないと言うことがわかった。これは、エアコンの性能が、外気温だけではなくて、そのときの負荷にも影響されているためである。寝室は居間に比べて面積も小さく、また使用時間帯は外気温の低い夜間が多いため、冷房負荷が小さかったのに対して、設置されたエアコンの能力が大き過ぎたために、その能力を十分に発揮できるような領域ではなくて、より小さい負荷で動く時間が長くなり、結果的に低い効率しか出せなかったのである。

 やはり、大きな部屋には2台のエアコンをつけて、冷えてきたら1台を消すというのが効率が良いことがわかる。

 しかし、さらに調べてみると、東芝のエアコン大清快のデュアルコンプレッサは、この問題を解決していることが分かった。その技術は学会で技術賞までもらっている。
http://www.tri.jspmi.or.jp/prize/ppmi/002/report/N02-06.pdf
PDFの図1は、横軸が運転負荷*1で、横軸がその負荷で運転しなければいけない延べ時間(年間)。最近のツーバイフォーのような高気密高断熱住宅は、いったん部屋が冷える(暖まる)とそれ以降は外へ逃げる熱が少ないので、エアコンはものすごくゆっくり動けばよい。ところが、先ほど述べたようにエアコンはゆっくり動くのが苦手なのである。そこで、東芝のデュアルコンプレッサは、コンプレッサが二つあって、一つを止めることができる(つまり、部屋が暑いときにエアコン2台で急速に冷やして冷えたら一台を止めるのと同じことができる)。うーん、面白い。探すともう一つ技術資料が出てきた。図10がデュアルコンプレッサのすごさを示している。
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2009/11/64_11pdf/a06.pdf
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/ecolabo/49/index.shtml

*1:エアコンの大きさで正規化している