「睡眠の科学」という本が2週間ほど前にブルーバックスから出版された(2011年11月)。昨今の健康ブームおよびノウハウ本の流行もあって、睡眠関係の書籍は既にたくさんある。これらの本の多くは、どうすればよく眠れるか?についてのコツが書かれており、多くは根拠のないエセ科学本である。
「睡眠の科学」は、どうすればよく眠れるか?のコツについて述べた本ではなく、睡眠研究の最先端について述べた本であり、まさに「科学」について書いてある。知らないことを知りたいという知的好奇心を存分に満たしてくれる本である。
この本を読んで興味深い点は、(1)従来は睡眠は無駄な時間という捉え方が一般的であり、そのため四当五落のような短眠を勧める考え方があるが、睡眠の時間は生産活動の時間と同等に貴重な時間と捉えてよい、(2)従来 覚醒と睡眠(レム睡眠、ノンレム睡眠)という対立概念であったが、レム睡眠はノンレム睡眠よりも覚醒に近いこと、が分かったことである。
著者が睡眠研究の経験から熟睡に有利な習慣を勧めるとしたら、(1)夕食は就寝の4,5時間前に済ますこと、(2)お風呂には入ること(正確には寝る前に手足が冷えていないこと)、(3)そのお風呂は熱過ぎない事、程度である。
睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス)
- 作者: 櫻井武
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/19
- メディア: 新書
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