kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



福島第一原発の事故は、マスコミのカモネギ

 かつてTV・ラジオ・新聞・雑誌は、四マスと呼ばれていたのをご存知だろうか?マスメディアのトップフォーという意味で、かつてはマスコミ業界といえば金回りのいい業界だった。ところが、インターネットの出現で、情報の発信・流通を独占できなくなったこと、広告費がインターネットに流れていること、ユーザのマスメディアに触れる時間がネットに奪われていること、この3つの理由で斜陽産業となっている。
 最近TV番組がつまらないと言われることが多いが、これもCM広告を打つ企業が減っているため、制作費にお金が回らないのだ。一方、新聞の広告費も激減である。要するにニューエコノミーなネットにオールドエコノミーなマスコミが滅ぼされようとしているのだ。
 そんな中で、きのう毎日新聞社の毎日JPの「特集ワイド:東京電力の株主総会 原発撤退提案の株主VSあっさり「反対」経営陣」を昨日眺めていて、腰が抜けそうになった。内容が稚拙である。
佐高信さん」という人の言葉を引用して、東電を批判している。偏ったサンプルによる情報操作である。

「これ、どういうこと。あれだけの事故を起こしたのに」。佐高さんが声を上げた。

佐高さんがようやく口を開いた。「壮大なすれ違いでしたね。原発を存続させていいのかと問う株主。存続を疑わない役員。株主が肉声をぶつけても役員たちは最後まで会社のお面をかぶっていた。最後の動議は役員一人一人に会社のお面を脱いで答えろという非常に鋭い問題提起だった」

また、企業はマスコミに情報を渡して当然という意識があるようで、以下のようなことも書いている。

10時前、千代田区の東電本店3階大会議室で、報道機関向けの総会中継が始まった。昨年は総会と同じホテルだったが、今年は「会場の都合」で本店での中継。こちらは打って変わって静か。会場の熱気から取材陣を遠ざけるためでは、と勘ぐりたくなる。

さらに、悪意のある文章だと感じるのは以下だ。

議長は、代表権を維持したまま留任する勝俣恒久・東電会長(71)が務める。
(中略)
勝俣会長が議事を進行しようとすると、「動議!」と、会場から声が上がった。
(中略)
「主語がなく責任がはっきりしないおわびだ。勝俣さん、責任を感じているなら議長は務められないはずだ。信任をとっていただきたい」。議長不信任の動議だ。最初の議決が行われた。

 「賛成の方は挙手願います」と議長。大勢の人が手を挙げた。解任か? 続いて「反対の人」。こちらも大勢が手を挙げた。「反対多数です」と議長。あっさり否決された。どうやって数えたのだろう。会場に入りきれず、別室で映像を見ている株主も多数いるのに。不思議だ。

 大企業が株式を互いに持ち合う日本で、株主総会は会社提案を追認するだけのセレモニーになりがちだ。東京電力の大株主には東京都のほか、銀行、生命保険会社など大企業がずらり。議長は会社側が、大株主から過半数の委任状をもらっていることを明かした。要するに、採決は“茶番”なのだ。

この文章を目で追ったときすごく気持ちが悪くって、なんでだろう?と思い読み返してやっとその理由が分かった。事実を抜き出すと、(1)信任の採決を求めたのは、一人の株主である、(2)採決を行ったらその株主は負けた、というだけのことで茶番でもなんでもない。どうやら委任状を東電がもらっていたのをずるいと言いたいらしいが、茶番というのは日本語がおかしい*1


こんなことを考えていて気付いたのは、マスコミにとって福島第一は久しぶりに集客できるネタなのだ。報道をしているわけではなく、読者におもねって金を稼ごうとしているのだ。水戸黄門的な勧善懲悪のストーリを描くため東電を悪者にしている。まぁ、ネットに押されているマスコミにとって、東電はカモがネギ背負ってるように見えるんだろうなぁ。

*1:委任状をもらうのをずるいというのも、変なんだけど