kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



多角的に見る

 先日、「かしこい人」についてのエントリを二つ書いた。今日はその書ききれなかった内容です。少しまとまりがないかもしれませんが。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110914/1315998165
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110915/1316037645

 かしこい人は多角的にものを見る。では、多角的にものを見るとはどういうことか考えたい。

 例題として、東電の原発事故を取り上げたい。
 まず最初はビートたけしさんの言葉(週刊ポスト2011年4月1日号121〜122ページ「21世紀毒談特別編」より)

この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。
(中略)
そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。

これは、一つの事象を細かく見るというアプローチですが、誰もが忘れがちな視点です。例えば、東京電力バッシングをネットやマスコミでよく見かけますが、東京電力の中を細かく見ると、「福島50」というヒーローも存在する。「福島50」については、例えば、以下が分かりやすい。
http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/archives/52212742.html

9月7日にスペインのアストゥリアス皇太子財団は1981年より開催しているアストゥリアス皇太子賞の平和(Concord)部門において「福島50」を満場一致で選出しました。アストゥリアス皇太子賞は国際的にも最も重要な文化行事の一つとされており、歴史を通じて高い評価を得てきた同賞は世界的にももっとも栄誉ある賞とみなされています。
日本人では過去、向井千秋氏とノーベル物理学賞の有力候補である飯島澄男教授が受賞しています。

「福島50」は原発事故発生当時従事していた800人の作業員のうちそのリスクから750人を避難させたものの50名を残し、被害を最小限に食い止めるために決死の作業を行いました。これが名前の由来であり、その後、3月16日から130人をくわえた180人が加わり、更にその後も作業員は増えていきましたが、呼称は「福島50」とされています。

この情報をもたらしてくれた方から聞くところによるとこの受賞のニュースは既に一週間経つのに日本ではあまり流れていないとのことでした。

福島原発の中で作業をしている東京電力の人たち*1は、致死量の放射線を覚悟している。特に後から作業に加わった130人は、原子力発電所の仕事をしていたOBたちで、安全な地域に住んでいるにも関わらず原発や福島や日本を守るために死を覚悟して作業に加わっているのだ。ビートたけし流に言えば、「東電が悪いんじゃなくて、東電の中に悪い人悪くない人良い人がいる」。東電=悪というまとめ方をすると、本当のことは見えてこない。

 「福島50」の話は、立場を変えて見るというアプローチの説明ですが、他にも多角的に見るために視点を移動するアプローチは色々あります。一番汎用的なアプローチは、自分と反対意見のニュースや人を探すことです。 

*1:関係会社の人たちの方が多いのかもしれないけど