NHKクローズアップ現代でコーチングを取り上げていた。コーチングとは、質問を通して相手の気付きを促す手法であるが、私にはどうもしっくりきていない。その理由は、コーチングされる側の情報が非常に少ないこと。コーチングを布教する側の意見や情報は巷に溢れているのだが、どうもうさんくさい。
そんなとき、「セルフ・コーチング入門」(日経文庫)を読んで、別の角度からコーチングを見ることができた。コーチングとは思考術なのだ。思考術というからには、思考を促進するためのHow Toと、その際に陥りがちな罠(失敗パターン)が必要だ。
思考を促進するHow to
自分に対して、以下の問いを立てることである。
- 実現したいことは何ですか?
- 自分のやりたいことをはっきりさせると?
- それが実現したら、どんな状況になりますか?
- 過去からリソースを探してみましょう
- これまでに一番うまくいった方法は?
- その体験から何を学んだのですか?
- 前向きに捉えると?
- 自分の特徴、強みを見つめ直してみましょう
- 強みを10個リストアップしましょう
- 他の人からは何と言われていますか?
- 目標を設定しましょう
- その目標は実現可能ですか?
- 具体的に言うと?
- 今、何が出来ますか?
- 選択肢を増やしましょう
- 出来ることを3つあげると?
- まだ試したことのない方法は?
- 他には?
- どこから行動に移しますか?
- いつやりますか?
- 実際にやってみて、どんなことを感じましたか?
- 次回はどうしますか?
陥りがちな罠
- なぜなぜ回路
- 失敗や不幸の原因をなんども繰り返し考えるパターン
- ぐちぐち回路
- 何か望ましくない状況があった場合に、誰かのせいにして、その人を責めるパターン
- 心配回路
- 将来の不確実性を心配するパターン
- 憶測回路
- 憶測や思い込みを根拠に思考を進めるパターン
- 散漫回路
- 集中した思考をしていないパターン
心構え
考えるというのはストレスの多い作業であり、このストレスに耐えるためには心構えが大切である。以下3つの心構えを心に留めておくと良い。
- 信
- 自分を信じること(自分を見限らないこと)
- 認
- 自分の良いところや強みを、心に留めること
- 任
- 果たすべき役割を自任すること
まとめ
(本書p61より)
あえて、思いきり単純化すれば、セルフ・コーチング能力は「質問を発する力」と「思考の罠から抜け出す力」が二本の大黒柱と言えるでしょう。
このように、セルフ・コーチングはまさに思考術なのです。
- 作者: 本間正人,松瀬理保
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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