kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



モノづくりの「モノ」ってなんだ?

国際シンポジウム「情報爆発を越えて」』に参加してきた。これは、5年間のプロジェクトを終えて、次は何をするの?というところがお題です。プロジェクトのみならず日本の情報科学分野は今後どう進むべきかを、アカデミアを中心に考えるという内容でした。
 話を聞いていると、あれもできます・これもできます的なチマチマした研究が多い、という周りの評価 and/or 自己評価があるようです。研究の大きい・小さいを何で測るかは少し難しいのですが、チマチマしたことをやっていると自分で思いながら研究をするのはつまらないだろうなっと感じます。
 また、このシンポジウムを聞きながら、ICT産業は日本の文化に合っていないのではないかと思いました。もし、日本は文化的にICT産業が苦手であるならば、情報科学の研究が日本で花開くのは難しい。文化的にICT産業が合わないと感じる理由は、

  • 労働者が保守的である。例えば、大学の教授が研究結果を携えて産業界に転身するなんてことは、日本ではまず起こらない。これは、VMWareの創業者は大学の教授で彼の研究成果がVMWareだったことを考えると、その差は明らかです。
  • 労働者が終身雇用を望むこと。日本の労働者は基本的には転職を嫌います。そのため、日本の会社は存続することがトッププライオリティにあります*1。これは、米国の企業は会社が破産させることに比較的寛容です。創業者はやりたいことがあって企業し、失敗すれば会社を終わらせ次のことを始めるのを見ると、日本の企業が会社をつぶさないように経営していることは明らかです。その分、日本の会社は大胆な経営戦略を採ることはできません。
  • ICT産業というのは、非常に変化が激しい業界です。その変化の速度に日本の会社はついていけていないように感じます。変化についていけない理由は、終身雇用を望む日本文化にある気がします。

 産官学のメッセージは「モノづくり大国日本」なのですが、ここでいう「モノづくり」にICTは含めないで、もっとアナログ的なもの、例えば研磨とかが合っているのかなっと感じます。

*1:派遣禁止の動きからも、雇用の受け皿として企業が期待されていることは分かるでしょう。