現代の日本人は忙しいのか、時間術に関するネット記事を良く目にする。そんな記事の中には、読み方の難しいものがある。例えば、「20代の真面目な人ほど損をしている!『忙しい人』と『仕事ができる人』の20の違い@ゆっくりしていってねライフハック」では、20の違いを書いていますがこれを読んでも『仕事ができる人』にはなりません。
『忙しい人』は、納期意識がギリギリ。(納期寸前で作業にとりかかるので、その仕事のみに集中してしまう為に効率が悪い。)
『仕事ができる人』は、前倒し。(納期より随分前から作業に取りかかるので、2つ以上の仕事を同時並行処理したりする効率の良い仕事の仕方ができる。)
前倒しで処理できないので『忙しい人』なのですから、『忙しい人』に前倒しでの処理を勧めても『仕事ができる人』にはなりません。つまり、『忙しい人』に特有の特性を列挙しても、真因がその中に含まれていない場合が多い気がします。
ネット上の記事は断片的であるため、時間術の体系と一番大切な要素が分かりづらい。そこで、ネット上の記事を漁ってこれらをまとめてみる。
時間術の分類
世の中の時間術に関するライフハックを調べてみると、いくつかに分類できることが分かりました。
- モチベーションに関するもの
- 個々の仕事(タスク)の作業スキルに関するもの
- 複数の仕事(タスク)のスケジューリングに関するもの
モチベーションに関するもの
典型的なものが「先延ばしをどう克服するか?」というもの。これに関するライフハック記事は、さらにいくつかに分類できる。
- 先延ばしにする心理を述べたもの
- 先延ばしのデメリットを述べたもの
- 先延ばしを防ぐ手法を述べたもの
こうやって分類すると、先延ばしを防ぐ手法を述べた記事が他の二つよりも断然重要に思える。しかし、この手法について述べた記事は(当たり前ですが)少なく、私がみつけたのは「「先送り繰り返し症候群」根絶法【解決編】」です。
これが述べているのは、すべきことをなるべく小さな単位に分解し、それぞれに具体的な作業名をつけることで、少しでも前に進められる状態にしておく、というものです。まぁ、この小さな単位に仕事を分解する作業自身を、先送りしてしまうという罠がありそうですけどね。
こうやって調べてみると、先延ばしを防ぐのはかなり難しい気がします。
個々の仕事(タスク)の作業スキルに関するもの
仕事というのは、大ざっぱには以下に分類することができます。
これらに関して、ライフハック的な記事を見つけることはできませんでした。断片的に、文章術のような記事は見かけますが、本質的にスキルを上げる記事を見かけません。やはり難しいのでしょう。
複数の仕事(タスク)のスケジューリングに関するもの
これに関する記事はたくさん見つかります。これらに共通しているのは
- 仕事に重要度を付け、重要なものに時間を使う
- 仕事の完成度が8割の段階で、後工程の人からその出来栄えについてコメントをもらう
私も仕事のスケジューリングについては、この程度できていれば十分だと思います。ただし、仕事の重要度を見誤ると悲劇が起きますので、そこは注意が必要です。
まとめ
時間術について、ざっと記事を調べてみた。これらが言う内容は、仕事に重要度をつけて一番重要なものを先延ばしせずすぐやる、ということである。
しかしながら、先延ばししないことは一般に難しいので、これらの時間術は実行されないと推測する。逆に言えば、先延ばしさえ防げれば、様々なことがうまくいく可能性がある。
それゆえ、時間術の本質は先延ばししないことである。