kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



戦略と戦術と後はなんだっけ?

はじめに

 「戦略(Strategy)、作戦(Operation)、戦術(Tactics)、そして兵站(Logistics)」というエントリが目立っている。ブックマークが2515もついたためだ。面白いのは、戦略とは何か?作戦とは何か?戦術、兵站とは何か?の定義が記されていないことだ。

これは僕が育てるべき何人かの「経営者の卵」たちに充てたエントリーだ。

とあるので、其々の定義は、「経営者の卵」に向けた宿題ということだろう。一方、ブックマークを付けた人達は、このエントリを読み返してもすっきりとわからないのでは?と邪推してしまう。
 そこで、戦略について実践的な整理をしてみます。

言葉の定義

戦略とは何か?

 日本では、戦略についての統一した定義はありません*1。様々な人がそれぞれの定義で「戦略」という言葉を使っています。

戦術とは何か?

 戦術についても統一した定義は日本にないのですが、言えそうなことは一つあります。戦略より直近かつ短い時間スパンで描いたシナリオを戦術と呼ぶ、ということ。

似た言葉たち

 戦略に似た言葉で、ミッションとビジョンがあります。ここら辺は、ビジネススクールの教授たちやコンサルタントたちが、こねくり回した感じがします。私のお勧めは、ビジョンを戦略と同じだと思うことにしましょう(これで、言葉が一つ減りました)。

ミッション・戦術・戦略の立て方

 ここでは、会社の事業戦略を立てる場合を例に、戦略の立て方を書いてみます。仮に、自然志向な石鹸を売る会社の事業戦略を立ててみます。

実践的な言葉の定義

 まずは、言葉の定義から。以下のように簡単に定義しておきます。

ミッション 自分たちのやりたいこと(実現可能性は無視)
戦術 戦略より短期的なシナリオ
戦略 戦術より長期的なシナリオ
ミッションの立て方

 ミッションは、「健康に害のない石鹸を提供することで、人々を清潔な状態にし、病気の少ない生活の実現に貢献すること」、という具合でしょう。ミッションは、やりたいことを書くだけなので、自分の価値観と相談するだけで書けます。

戦術の立て方

  売るべき石鹸と店舗が既にあるとすると、その石鹸をその店舗でどう売っていくのかが戦術になります。例えば、「大きな声で呼び込みをする」とか、「値引きセールをする」とかが挙げられます。

戦略の立て方

  例えば、一軒のお店で売っていくだけでは売上高を伸ばすにも限界があります。ではどうすればよいか?と考えると、例えば、「店舗の数を増やす」とか「ネット販売を行う」などの戦略を立てることができます。もちろん「売り上げを伸ばさない」というのも戦略です。 

なぜ戦略や戦術が必要か?

 そもそも戦略や戦術が何故必要かというと、人間は意識しないと直近のことばかりを考えて、その先を考えないからです。今の仕事を頑張った先に何があるのか? そこに辿り着くのにもっとほかのやり方は無いのか?と時間軸を変えて思考を練りましょうということです。
 また、ビジネスでは競合他社が必ず存在しますから、そのライバルの動向に注意を払う必要があります。ところが、ライバルの動向に目を奪われすぎると「オレ、そもそも何したかったんだろう?」となるので、自分のやりたいことをミッションとして明らかにしましょうということです。
 もちろん、戦略が、長期戦略・中期戦略に分かれていてもよいでしょうし、戦術がいくつもあって構いません。大切なのは、時間軸を変えて思考を練ることです。

おまけ

 戦略の立て方の別の例を挙げておきます。今度は、不倫をしている女性の戦略です。
 妻子持ちの彼と会うとすごく楽しいとしても、妻子持ちの彼氏は奥さんのいる家庭に毎日帰っていきます。こんな毎日を過ごしていると、そのうちどうなるでしょう? まぁ、運任せですが不幸になる確率の方が大きいんじゃないかなっと思います。
 そこで、戦術は、彼と会った時間をどう楽しく過ごすかになるでしょう。例えば、どこに遊びに行くか、どんなプレゼントをあげるか、などが戦術です。次に、少し長期的に考えると、どんな結末を望むか(つまりミッション)を決める必要があることに気づくでしょう。奥さんと別れさせて彼と結婚したいとか、家庭は壊さないように秘密の関係を長く続けたい等がミッションと呼べます。戦略は、彼と結婚するためにどうするか?を考えれば良いでしょう。例えば、奥さんに浮気をバラすとか、奥さんに別の男を接近させるとか、こういったところが戦略です。

*1:イギリスでの定義や、アメリカでの定義が統一されているかはしりません(笑)。