はじめに
社会人になると、お盆が夏休みとなりこの時期に旅行に行こうとすると、非常に高価格です。今年は沖縄への旅行も調べてみましたが、やはり高くて断念です。そこで、目をつけたのがオフシーズンの香港です。8月の香港は、夏で梅雨の季節で旅行には向かない時期だと思われています。その分、旅費はとても安いのです。
実際に8月の香港に行ってみて思ったのは、「夏こそ香港」に行くべきだと。その理由は、
- 何といっても旅費が安い(沖縄旅行よりも安い)
- やっぱり海外旅行は楽しい
- 8月の香港は、日本ほど暑いわけではない。おまけに移動は鉄道、車、船などで殆んど歩かない。乗り物の中は、空調がばっちり効いている。
- 8月の香港は、雨の多い季節だが、日本のように一日中降っているわけではなく、強い雨がザーッと1〜2時間降って、半日は晴れている場合が多い。雨が降っている間はお茶でも飲んでゆっくりして、雨が止んだら移動というパターンにピッタリ
今回の香港旅行の記録を残しておきます。
出発
リムジンバスで成田空港に移動
関東から海外空港に出かける際の最初の難関は、成田空港が遠いことです。家から成田空港まで3時間を要し、飛行機の出発2時間前にチェックインしようとすると、出発の5時間前に家を出ることになり、4時間のフライトで香港に到着することを思うと、羽田から海外便がもっと飛んで欲しいと思うのはユーザの正直な気持ちです。
成田空港にて
成田空港に到着して、搭乗手続きを行います。今回は、eチケットなので、登場カウンタでパスポートを出すだけです、とっても簡単。その後、空港の両替所で香港ドルを500HKD両替しました。レートは1HKD=12.47円。後で香港で両替したときには、1HKD=11円を切る程度だったので、少し高めのレートです。
両替の額については、様々な考え方があるとは思いますが、私はどこに行くときも日本では5千円分の現地通貨を持って出るようにしています。現地通貨を持っていかなくても向こうの空港で両替すれば良いのですが、ま、おまじないみたいなものです。
香港エアライン
今回の飛行機は香港エアラインを使いました。初めて乗る航空会社です。飛行機は小さ目で、エコノミーは一列6席でした。エコノミーの使えるトイレは飛行機の一番後ろにしかなく、食事の後はずいぶんな列ができていました。
香港エアラインの機内サービスは、普通よりも少し良いくらい。座席に着くと、お絞りが出て、飲み物が出て、食事が出て、飲み物が出て、コーヒーが出ました。飲み物でビールが無料な点が今どき珍しいなっと思います*1。これだけ、ドリンクサービスをするからトイレに客が並ぶんじゃないかしら。ま、出されるままに飲み食いする方もどうかと思いますけどね。
機内食の味は普通。昔乗ったユナイテッドエアよりは美味しい。甘い豆腐が出てきて、これはデザートなのかなっと思うが、デザートにしては量は多め。
機内食
香港到着
4時間のフライトで、無事香港空港に到着。飛行機から見る香港の町の夜景はまさに絶景、100万ドルの夜景の名に恥じないものでした。
飛行機から見た香港の夜景
香港空港は、成田空港と比べて施設も新しく、明るく、気持ちの良い空港です。設計が新しいせいだと思うが、大きい空港なのにとても分かりやすい作りになっている。香港空港と比べると、成田空港は天井が低く暗い。
広く明るい香港空港
香港空港での入国審査(イミグレーション)は、空いており10分ほど並べば通過できました。さすがオフシーズン。この入国審査の時には、審査官に入国カードとパスポートを渡し、OKならばパスポートと入国カードのカーボンコピーを返してくれます。この入国カードのコピーは、出国時に必要になりますので無くさないように気を付けましょう(アメリカならば、パスポートにホチキス止めするので、なくすことはないのですが、香港は自分で失くさないように管理が必要です)。
ホテルへ移動
香港空港からホテルまでの移動には、一般的にはタクシー、バス、電車の三択です。私は、電車を選択しました。電車は正確には、エアポートエクスプレスと呼ばれています。空港のアライバルにエアポートエクスプレスの乗り場が直結していてとても分かりやすい(改札すらない)。チケットはエアポートエクスプレスの乗り場の手前のチケット売り場で買えます。例えば、以下のように言えば買えます。
- I'd like to buy air port tickets to Kowloon. One adult and two children.
エアポートエクスプレスで九龍駅まで23分ほどかかります。九龍駅で様々なホテルを回る無料シャトルバスが出ており、これに乗ってホテルまで移動します。この無料シャトルバスは、12分〜24分間隔で出ていてとても便利です。
エアポートエクスプレスの社内
ホテル ハイアットリージェンシ
ホテルは、ハイアットリージェンシです。普段なら絶対泊まれないハイクラスホテルですが、シーズンオフだけあって手頃な価格(大人二人一室で2万円程度)で泊まることができます。
シャトルバスはハイアットリージェンシの地下(B3)に止まります。そこで、荷物を持ってバスを降りると、大柄な黒人が "Check in?"と訊いてくるので、"Yes"と答えると、荷物を取り上げられてエレベータに乗せられロビーフロアに直行させられます。ロビーフロアでは受付の白人のお姉さんにホテルの予約票を渡すと、チェックインの作業が始まります。最初にパスポートを出せと言われて、”何故?”と思っていると、免税店のクーポンをくれました。その後、宿帳を書くと、ルームキーを人数分くれます。このルームキーは無線タグになっていて、エレベータのセキュリティや部屋のセキュリティもこの無線タグで解除します。このやり取りの中で、deposit(前金)をよこせと言われますので(既にお金を払っていてもdepositをよこせと言われます)、クレジットカードを出しましょう。
ハイアットリージェンシのホテルマンの英語は、遠慮なしで、日本人にとっては早口です。頑張りましょう。聞き返しても、ゆっくり話してくれるというよりは、身ぶり手ぶりが増えるという感じです。英語の得意でない方は、気合を入れていきましょう。
- ホテルにチェックインするとき
- I have a reservation. Could I check in please? (チェックインしたい)
- チェックアウトするとき
- Could I check out please? (チェックアウトしたい)
- Would you keep my baggage until evening? (夕方まで荷物を預かっておいてください)
ハイアットリージェンシの部屋は、無料アップグレードをしてもらったこともあって、非常に立派で広かった。お風呂も広く、バスタブ用のシャワーと、バスタブの横のシャワーエリアにもシャワーの二つがありました(二つも要らんのだけど)。
立派で広いハイアットリージェンシの部屋
香港での遊び
外国旅行をしたときに、何をして遊ぶか? これも人様々だと思います。私は、異国情緒を楽しむという意味で、なるべく町中をブラブラ散歩するようにしています。なるべく、スターバックスなどの日本にあるチェーン店には入らないようにしています。その他は、ガイドブックで名所と書かれているところをのんびり回ることが多いです。
今回の旅行で印象になったことをいくつか記録しておきます。
香港という町
香港の町は、東京よりもずっと先進的なシステムを持っています。例えば、無線LANのホットスポットは町中にありますし、SUICAのような無線タグのカードで買い物や電車に乗れます(香港のシステムを日本が真似た)。近代的な高層ビルが乱立する様子は、新宿と渋谷と池袋を足したようなイメージです。
高層ビルの乱立する香港の街
wikipedia:香港から香港の経済的な特徴を引用する。
世界屈指のビジネス拠点であり、2012年5月、スイスのシンクタンクによって、2年連続で『世界で最も競争力の高い国・地域』に選ばれた[10]。2012年4月には、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人的資本・文化・政治などを総合評価した世界都市ランキングにおいて、世界5位の都市と評価されている[11]。また、ニューヨーク、ロンドン、東京と共に、世界トップレベルの金融センターでもある[12]。
富裕人口も非常に多く、金融資産100万ドル以上を持つ富裕世帯は約21万世帯であり、フランスやインドを凌いでいる。およそ11世帯に1世帯が金融資産100万ドル以上を保有しており、世界有数の密度を誇る[13]。また、個人資産10億ドル以上を保有するビリオネアは38名であり、モスクワ、ニューヨーク、ロンドンに次ぎ、世界で4番目に多い都市である[14]。
要するに、世界に開かれた金融都市で、金持ちがたくさん住む町ということです。
オクトパスカード
香港に着いたら、なるべく早くオクトパスカードをゲットすることをお勧めします。オクトパスカードの詳細は、wikipedia:八達通を参考にしてください。日本のSUICAのようなカードで、電車やバス、船などの交通機関や、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの支払いができます。これが非常に便利で、香港の交通機関の運賃の安さもあって、このカードを持っているだけで気軽に香港の街を移動できるようになります。
オクトパスカードは、MTR(地下鉄)の旅客中心(カスタマセンター)で手に入れることができます。SUICAと同様にオクトパスカードもデポジットを要求されます。オクトパスカードを買うときは、こう言いましょう。
- Octopus card, Please
無線LANホットスポット
日本と違って香港では無線LANのホットスポットが無数にあります。PCCWという業者のホットスポットが一番多いようです。コンビニに行って、PCCWのプリペイドカードを買い、これを使って無線LANが使用できるようになります。PCCWのプリペイドカードの裏のスクラッチをコインで削って現れるユーザIDとパスワードを使ってPCCWのWiFiに接続します。24時間の利用時間で20HKD(200円)位ですから、安いものです。PCCWのプリペイドカードを買うときは次のように言いましょう。
ただし、ホテルの中ではホテルのWiFiしか入らないので、PCCWを使うことができません。私は、ホテルから出てWiFiを捕まえていました。
コンビニ
セブンイレブンがそこらじゅうにあります。セブンイレブンの店員は、日本の店員よりもずっと愛想がなく、支払いの際に広東語で応対されるときに、叱られている気分になります。また、コンビニやスーパーマーケットで買い物の際には、エコバックを持っていくと良いです。ビニールの買物袋は有料です。
夜景
香港といえば、何といっても100万ドルの夜景です。高層ビルが作り出す夜景は見応えがあります。以前は、ビクトリアピークのピークタワーが定番の夜景スポットだったのですが、2011年4月に超高層展望台sky100が九龍にできました。場所が便利なので、私はsky100で夜景を楽しみました。
sky100からの香港の夜景
飲茶・点心
香港に行ったら必ず食べたいのが点心です。私は、ホテルホリディインの地下1Fの龍苑と、インターコンチネンタルホテルの欣圖軒(Yan Toh Heen)の2か所で食べました。
まずは、龍苑の方ですが、一人1500円ほどでおなか一杯食べることができます。香港ではかなり高い方ですが、その分とても美味しいです。特に小龍包は絶品です。店員のサービスは庶民的で、上品という感じではありません。他の方のブログを読むと非常に混んでいる店のようですが、私が行ったときは午前11:30という時間のせいか、すぐ入店できました(12:00には店はいっぱいになっていました)。
欣圖軒は一人2500円ほど必要です。さすがは高級ホテルだけあって、味も文句なく美味しいですし、店員の立ち居振る舞いも上品です。また、店の雰囲気も欣圖軒は窓が大きくて明るく気持ちが良いです。
マカオ
香港からマカオは船で1時間ちょっとの距離にあります。せっかく香港まで行ったのだからついでにマカオもと思い、マカオにも行ってきました。
マカオは、二つの島がつながったような地形をしていて、北の島がマカオ半島、南の島がタイパ島です。観光地としてはマカオ半島の方が栄えています。後述しますが、私はフェリーを乗り間違えてマカオで混乱しました。
さて、マカオの私の印象は、激混みです。オフシーズンの筈なのに、東京原宿を歩いている気分になります。マカオ観光では、セナド広場近辺の世界遺産を見て回ることになると思いますが、ここら辺りはすごく混んでいます。
聖ポール天主堂跡は、観光客でいっぱい
セナド広場近辺の観光を終えて、エッグタルトの有名店カフェ・エ・ナタ(Margaret's Café e Nata)に向かいました。歩いて10分程度の距離にあります。ここも激混みでした。ここはおしゃれなカフェというよりは、町のパン屋さんという感じのところです。薄汚れたビルの裏にあるので、本当にここで良いのか迷いました。
エッグタルトの有名店カフェ・エ・ナタ(Margaret's Café e Nata)
マカオのエッグタルト屋さんから、香港に戻ろうと思ったのですが、ここでフェリーターミナルまでの移動に大変困りました。観光客が多すぎて足が捕まらないのです。タクシー乗り場はどこも長蛇の列ですし、ホテルの無料シャトルも列が長い。結局、ホテルの無料シャトルの列に並んだのですが、あまりの待ちの長さに一緒に並んでいる中国人が騒ぎ出して少し怖い感じでした。なによりも、列の中で前の人との隙間をあけると割り込まれるので隙間を詰めるのですが、後ろの人も隙間を詰めてくるので、列が混雑してきて暑い。ちょっと疲れました。
マカオ半島のフェリーターミナルになんとか到着して、“香港”と書いてある切符売り場でチケットを買うと、それは香港島行のフェリーでした。別の場所に“九龍”と書いた切符売り場があり、ここでチケットを買うとチャイナフェリーターミナル(九龍エリア)につけたのですが、間違えてしまいました。
実は、香港からマカオに向かう船も私は間違えていて、チャイナフェリーターミナルからタイパ島行のフェリーに乗ってしまいました。私の持って行ったガイドブックには、チャイナフェリーターミナルからはマカオ半島行きのフェリーしか出ていないと書いていたので、油断していました。
香港とマカオの間のフェリーですが、チャイナフェリーターミナルからマカオへのフェリーは滅茶苦茶揺れます。私の周りで吐いている人が何人かいました。一方、マカオ半島から香港島へのフェリーは全く揺れませんでした。船の大きさが違うのかな。
帰路
香港市内から空港への移動
帰りは、ホテルをチェックアウトし、シャトルバスを捕まえて九龍駅まで行きます。九龍駅では、旅客中心でオクトパスカードを返却してデポジットを返してもらい、エアポートエクスプレスのチケットを買います。エアポートエクスプレスは15分毎に走っていますので、時間も読みやすいです。オクトパスカードの返却とエアポートエクスプレスのチケット購入には次のように言いましょう。
- I'd like a refund for my octopus card, and have an air express ticket.
香港空港は、ターミナル1とターミナル2があります。エアポートエクスプレスが香港空港に着くと、電車の両側ドアが開きます。左側のドアがターミナル1行きで、右側のドアがターミナル2に行きます。事前に自分の航空会社のチェックインカウンタがどちらのターミナルチェックしておくと良いでしょう(ドアを間違えても、3分ほど歩けば反対側に移動できますので大したことではありませんが、)。
香港空港
香港空港は出国審査を超えてからも、ショップが充実していますので、時間に余裕を見て出国しウィンドウショッピングを楽しむと良いでしょう。
成田空港
成田空港での入国審査では、パスポートの顔写真と本人の顔が一致するかを機械で認識する実証実験が行われていました。私も実験に参加してみましたが、なかなか認識されず結構な時間がかかりました。システムを請け負ったのはNECのようで、入国審査通過後にNECの職員にアンケートを行われました。「どうでした?」と聞かれたので、素直に「なかなか認識されず困った」と答えたところ、「前髪が額にかかっていると難しいんです」とのことでした(最後の言葉は、それを言っちゃ技術者の負けだよと思いますが、、旅行客の髪形をNECがコントロールできないのだからもっと頑張りましょう)。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120806/mca1208061248007-n1.htm
おまけ
写真をいくつか張っておきます。香港旅行の雰囲気を感じられると嬉しい。
香港のハイアットリージェンシーは、”K11”という名の複合ビル(ホテル、商業施設、一般住居)に入っています。"K11"の商業施設には、楽しいディスプレイが並んでいて、これらのデザインが日本と異なっていて味わい深い。
K11のディスプレイ
超高層ビル街が特徴の香港ですが、少し路地を曲がれば大きな看板が道路に伸びている典型的な光景を今でも目にすることができます。
香港と言って思いつく光景が今も健在
天星碼頭(Star Ferry Pier)発着(湾内線)近くの通り。バスターミナルが併設されていることもあり大混雑
天星碼頭(Star Ferry Pier)発着近くには多数のドラえもんが。
上環の路面電車乗り場。路面電車は2階建て。香港島の街を眺めるには路面電車が最高
アベニュー・オブ・スターズのブルースリーの像
*1:米国の航空会社はアルコールが有料な時が多い