kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



日本のスマートグリッドの行方

 スマートグリッドは、ユビキタスやM2Mくらいにバズワードとなって、どうなっていくのかわからない。しかし、日本に限って言えば、スマートグリッドの行き先の想像がつく。ここはフィクションだと思って読んでほしい。
 日本のスマートグリッドを推進しているのは、ずばり日本政府である。日本政府の望むものは、

  • 電力料金を安くしたい
  • 電力の安定運用をしたい
  • 原発を安全にしたい
  • 二酸化炭素排出量を減らしたい

というものである。

これらの望みがいっしょくたになってスマートグリッドという言葉でまとめられているのでわかりずらいが、いま政府が打っている手は以下であろう。

要するに、太陽光発電風力発電をする業者を参入させようということである。

規模の小さな発電業者や、もともと電力供給能力が不安定な再生可能エネルギーを導入するにあたって、最大の課題は電力の安定供給の確保である。

これを確保するために、いま考えられる手は送発電分離だけである。つまり、電力送電網を発電業者から独立させて新規発電業者への参入を容易にさせる。さらに、電力送電網を広域化して、日本全体で電力需給のギャップを調整するのである。

電力需給調整にスマートメータを使うかどうかは、まぁ趣味の問題なのでやりたければやればよい。

このように考えると、中立で広域な送電網をどうやって作るのか? というところがスマートグリッド実現の最大の問題であることが分かる。送電網業者って儲からないのだから。そんな儲からない分野に広域な送電網を作れっていってもできるわけもなく、税金を突っ込むしか方法がない。ご存知の通り日本の財政は火の車であり、さらに当分は東日本震災の復興予算が重くのしかかる。

まとめ

 日本のスマートグリッドにおいてスマートメータはキーデバイスではない。アーキテクチャの根幹を決めるのは、制度設計において送電網をどう位置づけるかである。送電業者という貧乏くじを誰に引かせるか? 政府はこれを決めあぐねているに違いない。