kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



シャープに何が起こっているのか? 決算書より

シャープが11月1日に発表した「平成25年3月期 第2四半期 決算短信」に

当社グループは、当第2四半期連結累計期間の実績も、前連結会計年度に引き続き多額の営業損失・四半期純損失を計上し、重要な営業キャッシュ・フローのマイナスとなりました。こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

とある。要するに、倒産の可能性がある、と言っているのだ。

1分で分かる決算書の読み方

 まず、決算書の読み方を(乱暴ではあるが)簡単に説明しておく。具体例があった方が分かりやすいので、ラーメン屋さんを例にあげて説明する。

営業利益とは、儲かってるか?ということである

 ラーメン屋さんは、麺などの材料を仕入れてお客さんにラーメンを売っている。営業利益とは、この日々の支出と収入の差である。ラーメン屋さんの場合、営業利益=お客さんからもらったお金 - (材料代 + 光熱費 + 人件費 + 減価償却費) である*1
 要するに日々の商売で儲かってる?というのを表すのが、営業利益である。

キャッシュフローとは、いま現金持ってる? ということである。

 ラーメン屋さんが材料を2週間分買うときに、現金払いでなくクレジットカードで買ったとしよう。すると月に一回クレジットカードの支払いがやってくる。また、ガス代や電気代も毎月支払いがやってくる。この支払いをちゃんと行うには、現金を持ってる必要がある。もし、この支払いができなくなれば、ガスが止まって営業ができなくなる。つまり倒産となる。

シャープの営業利益は赤字

 シャープは営業利益が1688億円の赤字である。ラーメン屋さんで言うと、ラーメンが売れなくて、手持ちのお金が減っていく状態。

シャープのキャッシュフローは赤字

 シャープのキャッシュフローは768億円の赤字である。ラーメン屋さんで言うと、手元の現金よりも、材料費やガス代などの日々の支払いの方が大きい状態。

まとめ

 シャープが倒産の可能性があると発表したのは、日々の支払いが滞る可能性があるためである。こういう時に打てる手は、

  • 誰かから現金を借りる
  • 誰かに事業・資産を売る

この二つである。
 また、資金繰りの他に営業利益を黒字にしないと手元資金は減り続けるわけで、シャープの発表では液晶ディスプレイで儲ける計画のようである。Windows8スマホの需要がどれだけ増加するかがカギになりそうである。

*1:ここで分かりづらいのは減価償却費であるが、これは例えば業務用のコンロを30万円で買った時に、一気に30万円を使ったとするのではなく、毎月5千円づつ使っていったことにしましょうという約束事である