kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



ニュースの読み方: 日本のスマートグリッドの方向が変わってきた

 スマートグリッドとは、電力網をIT技術で賢くして、電力を便利に効率的に使えるようにするということだと説明される。ただし、日本においては、電力産業において競争を促進することで、電力を効率的に供給できるようにすることである。
 昔、電話事業はNTTが一社で行っていて、電話料金もすごく高かった(東京から大阪に電話すると、20秒で10円くらいだったかな、、、)。そこで、電話事業に新規参入を促すため、NTTは電話網を合理的な過価格で他の会社にも貸し出すことという法律ができ、これによって電話事業に参入する会社が増えて競争が起こり電話料金が一気に下がった。スマートグリッドとは、これを電力網でもやるという話である。
 競争促進という意味でのスマートグリッドの根幹は、発送電分離なのだが、これを実現するための施策として

が進められてきた。具体的には、再生可能エネルギーの買い取り義務化である。
 ところが、最近この流れに変化がある(というか減速している)。その具体例を二つ挙げる。一つ目は、「発送電分離案、自民部会で骨抜き 提出時期は努力目標に」(朝日新聞デジタル)にあるように、発送電分離の推進に減速感が出ている。二つ目は、「太陽光発電買い取り価格、1割減の38円程度に」(読売オンライン)にあるように、太陽光発電で発電した電力は電力会社(例えば東京電力)が買い取る義務があるのですが、その買い取り価格が下がりそうです。
 これらの二つともが、(競争促進という意味での)スマートグリッドの減速を意味します。こういった政策転換は、民主党から自民党政権交代したことと関係があるのでしょうか。スマートグリッド政策が善だとは言い切れない訳ですから、この政策転換が悪だというつもりもありません。ただ社会の風向きが少し変わった気がするという話です。