会社やお店の経営に関わる者なら、どういう手法・戦略を採用しようかと悩んでいる筈だ。この経営に関する手法・戦略を語る人種には、ふた通りある。一つは、マッキンゼーやボストンコンサルティングのようなコンサルタント。もう一つは、経営学者。
コンサルタントは、どこかの会社の成功事例をまるでどの会社にも当てはまるかのような口ぶりで、別の会社に広げる人種である。昔は多角経営を勧めていたのに、今は集中と選択を勧める。そんな節操の無さが特長だ。
経営学者は、コンサルタントが広めた経営手法の効果を検証することで、統計的に役に立つ経営手法を見つけようとしている人種である。経営学者の入山章栄氏の書いた二冊の本、「世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア」と「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学 」は、その有効性が学問的に認められた経営手法を記している。
例えば、コンサルタントが勧める手法にM&Aがある。しかし、M&Aを実施した企業を数多く調査すると、企業価値を下げた会社の方が多いことが分かっている。冷静に考えれば、買われる側の会社の経営者が変わることで利益が伸びるなんて、買う側の経営者の傲慢あると言えよう。
経営学者により有効性の検証された経営手法は何であるか、これらの本を読むことで知ることができる。
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
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