「なるほどデザイン」(MdN, 筒井美希)は、デザインをする人のための教科書だ。Webや雑誌、ポスター、プレゼン資料などのデザインの一連の作業の基本とコツが記されている。レベルとしては初中級向け。デザインに興味のある人にとって、最初に読むべき一冊だ。
- 作者: 筒井美希
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
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プロとしてデザインするなら、そのデザインには目的がある。趣味のデザインなら、自分が楽しければそれでいい。しかし、プロならば、どんな人に・何を・なぜ・いつどこで伝えるかをしっかりイメージすることが、デザインの第一歩だ。
これらが明確になって、写真の置き場所、字体、文字の大きさが決まる。逆に言えば、これらが不明確なまま”デザイン”を始めると、正解が分からなくなってぐるぐる回りをすることになる。
さらに、”デザイン”の作業を行う際の7つのコツを本書は記している。ここでは、「ダイジ度天秤」と「ライト」の二つを紹介する。
主張を一つに絞るための「ダイジ度天秤」。あなたのデザインを見る受け手側は、複雑なデザインは理解できない。あなたのメッセージを尖らせなければ、受け手には届かない。例えば、洋服の宣伝用資料をデザインするときに、その洋服のコストパフォーマンスが良いことがポイントだったとしても、そこで考えを止めてはいけない。コストパフォーマンスは、品質と値段に因数分解できる。あなたは、品質の良さを主張したいのか、それとも値段の手ごろさを主張したいのか、選ばなければいけない。
そうして絞った主張を表現するための「ライト」。デザインとは、文字や写真であなたの主張を届けることだ。「ダイジ度天秤」で絞った主張を強調した表現にする。この強調するためのテクニックを「ライト」と称して紹介している。主張したい部分の写真や字を大きくする、あるいは色を派手にする、といったやり方は当然。その他に、余白を変える、地を変える、リズムを変える、などデザイナーでないと知らないテクニックを紹介している。
最後に、文字・図・グラフなどのデザインの個々の要素に対するテクニックを記している。デザインについてネット検索して見つかるテクニックと言い換えてもいい。例えば、円グラフの色を薄くするテクニック。円グラフは面積が大きいため、色が濃いとデザイン性を損なう。パステルな色使いで円グラフを書くと、軽やかなデザインを損なわない。
まとめ
「なるほどデザイン」は、デザイナーが最初に読む一冊だ。デザイン作業の最初から最後まで全体を網羅している。
- デザインの目的・目指す結果を整理
- デザインのコツ: 7つ道具
- 構成要素其々にたいするコツ: デザインの素