kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「やわらかロジカルな話し方」:ネットには見つからない会話のコツ、話すのが苦手な人に読んで欲しい

 セールス・商談・打ち合わせ等、様々場面で「話す」機会がありますよね。ビジネスだけでなくプライベートでもうまく話す技術があると、得することが多くあります。

 でも、「話すのが苦手」と思っている人もいます。自分が話した事が、相手に受け止めてもらえない。別の誰かが話すとウケるのに、自分の話はウケない。なんだか寂しい気分がになりますよね。

 

 ネットを検索して見つかる「話し方のコツ」の情報は、大抵次の3つでしょう。

  • 分かりやすく話す
  • 自分が楽しむ
  • 相手に話させる

これらは確かに正しいのですが、実際に行うのは難しいでしょうね。そもそも、どうやったら分かりやく話せるのか、どうやったら自分が楽しんで話せるのか分からないからです。最後のあいてにはなさせるは、趣旨が変わっています。特に、ビジネスの場では自分から主張しないと仕事の成果が上がりません。

 

 その点、この「やわらかロジカルな話し方」という本は、非常に具体的なアドバイスがしるされています。

具体的には、この本の良い点は3つです。

  • 大枠として話すコツは、ロジカルに話すことと気持ちをくんで話すことの二つだと示していること。
  • この二つを併せ持った話し方をするための具体的なテンプレートを示していること
  • 会話をする状況に応じた例をたくさん示していること
やわらかロジカルな話し方

やわらかロジカルな話し方

 

 

以降、本書の内容を詳しく見ていきましょう。

 

会話は、ロジック(論理)と気持ちの二つ

 会話の下手な人は実は二つをのタイプに分かれます。

 理系に多いタイプで、物事に興味があって人に興味のないタイプ。例えば、休みにどこに遊びに行くとか、仕事のレポートをどう書くとか、そいういった相談において、正しく結論を出すことを重視し、話している相手の気持ちを置き去りにします。なんか冷たい感じとか自分の意見を押し付けてくる人と思われがちです。

 もう一つのタイプは、文系に多いタイプで、逆に物事よりも人に興味があるタイプです。楽しく話そうとするあまり、行っている事がよく分からないと思われがちです。

 

 意外なことにネットの情報では、ロジックと気持の両方を大切にするという視点が書かれていません。

 これが分かっていないと的外れな努力になってうまく行かないんですよね。これまで、ロジックタイプの人が分かりやすく話そうと努力したり、気持タイプの人が相手の気持ちに配慮して話そうと努力して、効果がなくてガッカリしたのではないでしょうか。

 

ロジックと気持ちを盛り込む具体的なテンプレート

 ロジックと気持ちの両方を会話に盛り込むのって難しそうですか?

 少し練習するとできるようになりますよ。この練習に便利なのがテンプレートです。

 まず言いたいことを、次の4つに分けます。

  • 【テーマ】:トピックス、決めたいこと
  • 【結論】:話のテーマに対して自分が想定している結論
  • 【数字】:なんでも良いので関連する数字
  • 【状況】:テーマに関するその他の情報
  • 【気持】:相手や自分の気持ち

分けてみると、何もない空の部分がみつかります。そうなればチャンスです。この抜けている部分さえ埋めてしまえば良いのです。

 

例えば、職場で長期休暇を取得したい時にどう上司と話すか考えて見ましょう。

何も考えないと「課長、長期休暇を8月にとっていいですか?」と話してしまいそうですよね。これをテンプレートで整理すると

  • 【テーマ】長期休暇の許可を得る
  • 【結論】長期休暇を8月にとる
  • 【数字】(なし)
  • 【状況】(なし)
  • 【気持】(なし)

抜けている【数字】、【状況】、【気持】を埋めていきましょう。例えば、

  • 【数字】仕事の案件は毎年8月が一番少ない
  • 【状況】友人と旅行に行く話を進めている
  • 【気持】<上司の気持ち>今、忙しい

 

抜けている部分が埋まったら、後はひとつにまとめるだけです。こんな感じになります。

「課長、お忙しいところすいません。 長期休暇について相談させて頂けませんでしょうか? 毎年8月は仕事が少ないようなので、8月に長期休暇を取らせて頂けませんでしょうか? 友人と旅行に行きリフレッシュしたいと思っています。」

 

会話の状況に応じて応用

 先ほどの例は、忙しい上司との会話だったので、【気持ち】【テーマ】【結論】の順に話しています。実は、この順番を変えることで色んなシチュエーションに応用できるのです。

 仕事の会議ならば【テーマ】を先頭にして話すのが良いですし、客先を訪問した時は【状況】から話すのが良いですし。

 こういったシチュエーション別の説明が、本書には豊富に載っています。

 

大事なキーワード「気持ちを盛る」

 この本の中で「気持ちを盛る」というキーワードが出てきます。

 気持ちを表現するときにそのまま表現すると誤解されるかもしれません。「嬉しい」と言っても相手には言葉だけに聞こえるときがあります。相手に伝わるように表現する、つまり「気持ちを盛る」のです。相手によっては大げさに表現することが必要かもしれません。

 

 

まとめ

 意外なことに、本やネットの情報には、会話のコツとしてロジックと気持の両方が大事だと指摘したものは無い。

 その両方を会話に含めるためには、テンプレートを使うのが簡単です。

 このテンプレートは、各項目の順番を変えることで様々なシチュエーションに応用できます。本書には、その応用例がたくさん載っています。