kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「これも修行のうち。」(草薙龍瞬)の感想:雑事や悩みを気楽に受け流すメンタルトレーニング

「これも修行のうち。」(草薙龍瞬著)。これは、毎日を楽に過ごすためのメンタルトレーニングについて記した本。著者の前著「反応しない練習」の実践編とも言える。

 日頃の悩みを増やさないポイントは「ムダな反応をしない」ことです。「一切の悩みは、心の”反応”が作り出している。だからムダに反応しなければ、多くの悩みを解消できる」というのが本書の基本メッセージです。今回は特に「反応しない心」を育てるための、より実践的な”練習メニュー”の数々を紹介しようというものです。

 上の「ムダな反応」とは何か?例えば、学校や職場で意見の合わない人がいたとしよう。自分の気持ちを分かってもらえなくて、イライラすることがある。このイライラが「ムダな反応」だ。他人がどんな意見を持つかは、自分のコントロールできるものではないためだ。そんなコントロールできないものが思う通りにならないために、イライラするのは合理的でない。「反応しない練習」では、「ムダな反応」とは何か、なぜ「ムダな反応」をしてしまうのか詳しく書かれている。
 「ムダな反応」を、反射的に人は行ってしまう。そのため、頭で「ムダな反応」と知っていても、それを止めるにはトレーニングが必要である。その具体的なトレーニング法を、本書は記している。

感想

 トレーニング法(本書では”プチ修行”と読んでいる)が多数記されている。その全てを実施しなければいけないというものではなく、気に入ったものだけ行ってみる、というもの。私が気に入ったのは3つ。
 一つ目は、”心を尽くして「家事」”。大掃除なんかで、思わず細かいところの掃除を夢中でやってしまうことがある。「あー疲れたー」と言いながらも、結構達成感がある。これを、たまにやってみる。全ての家事に心を尽くすことはできないが、何か丁寧にやってみると、達成感があって気持ち良い。
 二つ目は、”動じない自分を作る「と言葉」”。怒ったり、不満があったときに、感情に流されてしまう。そんなときに、感情を外から眺めることができれば「ムダな反応」を減らすことができる。「◯◯と(私は)怒っている」、「◯◯と(私は)不満を感じている」のように、言葉で確認する。これにより、感情を客観視できる。
 三つ目は、”「小さく、小さく」で心を守る”。「ムダな反応」の大部分は、承認欲求に起因するのだと思う。例えば、人からバカにされたと思ったり、他人と自分を比べて勝ったとか負けたとか思うのは、承認欲求が原因である。相手に勝とうとしない、張り合わない。「小さく、小さく」をキーワードに、承認欲求という強力な衝動から意識を保つことができる。

 本書の中で、イライラしたりうまくいかないときに「これも修行のうち」と軽く考えて受け流すということが書かれており、「これも修行のうち」というキーワードを覚えておくのも大切。

おわりに

 本書を読む前に、「反応しない練習」を読むことがお勧め。著者の考え方がよく分かる。「反応しない練習」が気に入ったら、こちらも読むのが良いと思う。