kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「ツカむ!話術」で初対面の人と盛り上がる、成功する会話のコツ

 初対面の人と話すのが苦手。会話が途切れがち、沈黙が続いて気まずい。知らない人との会話で失敗しないか心配になる。そんな人って、日本人には多いですよね。
 一方、アメリカ人は話すことが得意。知らない人ともすぐに打ち解けお喋りし盛り上がります。以前、私がアメリカの空港で一人座っているときも、近くのアメリカ人が話しかけてきました。
アメリカ人:Where are you from?(どこから来たの?)
私    : I’m from Japan.(日本からだよ)
アメリカ人:Great! I love Japanese food. Sushi, Sukiyaki,,,(いいね。日本の食べ物って好きだよ)
私    :Do you like Okonomiyaki?(お好み焼きは好き?)
アメリカ人:I’ve never have it. What is it?(食べたことないな。どんなの?)
・・・
こうして文字に書き出すと他愛もない会話ですが、結構盛り上がったんですよ。アメリカ人って話が上手だなって思ったものです。
 超難関大学であるハーバード大学を卒業したお笑い芸人パックンの本、「ツカむ!話術」に初対面の人と話すコツが書かれていました。このハーバード流話術を、ここでご紹介します。この記事を読んでいるあなたはどんな人でしょうか?人と話すのが苦手な人ですか? でも大丈夫。初対面の人と話すにはコツがあるのです。コツを意識して話すだけで、話上手になりコミュニケーション能力が上がっていきます。
 

初対面の人と話すのは何故難しいのか?

 そもそも、なぜ初対面の人と話すのは難しいのでしょうか? それは、あなたが日本人だからです。
 アメリカ人は、子供の頃から話す練習をして育ちます。

 話す力というのは、生まれつきのものじゃないんです。
 アメリカでは小さいときから、人の話を聞いてそれにさっと反応することや、自分自身の考えをはっきりいうことを、徹底的に教え込まれます。だから、アメリカ人が話し上手、コミュニケーション上手に見えるとしたら、それは性格というより、教育と文化の中で話術トレーニングをみっちり積んでいるから。

 
 これを読んでいるあなたは、自分のことを内気な性格だと考えていませんか? コミュニケーション能力はトレーニングすることで向上するスキル。性格とは関係ありません。コミュニケーションがうまくいかないことを、あなたの性格のせいだと考えるのは間違いです。

 日本の方たちは、うまく話せないことを自分の性格的なものと捉えすぎる傾向があります。だけど、トレーニングしてないのに、苦手だとか下手だとか決めつけるのはおかしいんです。

(太字は私。)
 
 つまり殆どの日本人は初対面の人と話すのが下手なのです。トレーニング不足なのです。
 

初対面の人と話す3つのコツ

 初対面の人と話すトレーニングと言っても、ただ場数をこなせば良いというものではありません。まず、初対面の人と話すコツ、定番といったものを頭に入れておく必要が有ります。
 初対面の人と話すコツは、(1)エトスを上げること、(2)コモンプレイスを獲得すること、(3)質問を準備することの3点です。
 

一つ目のコツ:エトスを上げる

 エトスとは、人格的なものに働きかける要素です。キャラと言い換えても良いでしょう。この人が言っているから聞く気になる、そんな要素です。あなたが話しても聞いてもらえないことを、別の誰かが話すと大いに盛り上がったなんて経験はありませんか?エトスの差が出るのです。
 エトスを上げる一つの方法は、会話をするときの姿勢です。相手の方をきっちり向いて話をしましょう。また、ゆったりリラックスして話しをしましょう。さらに大切なのは笑顔。相手に笑顔を向けてください。

 ゆったりとくつろいで、リラックスした雰囲気を出したり、少し前のめりで、相手の目をずっとみつめることで熱い興味を示したりと、聞く姿勢も色々あります。

 
 リラックスした雰囲気を出すコツは、リラックスしているフリをすることです。初対面の人と話をするのは緊張するものですが、少し意識してリラックスしたフリをしてください。最初はフリだったのが、次第にリラックスできるようになりますよ。
 

二つ目のコツ:コモンプレイスを獲得する

 コモンプレイスとは、みんなが共有している認識に関する言葉や言い方のことです。
 例えば、理科系の学生だったら下のような共通認識を持っているでしょう。

  • 教室に女子が少ない
  • 理屈っぽいと言われる
  • 文系科目が苦手

話し相手が理科系の学生だとしたら、「日本史とか文科系の科目って得意ですか?」と聞いてみると良いでしょう。

 コミュニケーション現場ではたとえもともと仲間じゃなくても、コモンプレイスという、相手にとって共通認識を示す言葉や表現を使えば、同じ効果を得られます。ここで退治なのは、あなた自身ではなく、相手が持っている「常識」とそれを表すコモンプレイス。

 
 心理学でいう「ミラーリング」を知っていますか? 話し相手の動作を真似するテクニックです。例えば、相手が椅子に深く腰掛けたらあなたも椅子に深く腰掛け、相手が身を乗り出してきたらあなたも身を乗り出す、という風に相手の動作を真似します。相手が笑ったらあなたも笑う。さらに、相手がよく使うジェスチャーがあればあなたもそのジェスチャーを使います。
 動作だけでなく言葉のミラーリングもあります。相手がよく使うフレーズをあなたも使うのです。例えば、相手が「ガチで」とよく言うならあなたも「ガチで」という言葉を使いましょう。「まったくもって困っています」と相手が言ったら、「まったくもって困るなんて、大変ですね」と言い返しましょう。
 

三つ目のコツ:質問を用意する

 初対面の人と話すとき、共通の話題は有りません。相手のコモンプレイスも分かりません。あなたはどんな会話をしていますか? 正解は誰にでも通用する質問をする、です。
 まずは天気の話をしましょう。「今日は寒いですけど、薄着ですね。大丈夫ですか?」「今日は花粉が多いですけど、花粉は大丈夫ですか?」など当たり前の質問で大丈夫です。
 他にもいくつかあります。

  • 交通機関の話:「今朝(最近)電車が混んでいますね。あなたの通勤はどうですか?」
  • 相手の体験を聞く:「入社した頃って、仕事の仕方が分からず戸惑いませんでしたか?」
  • 目の前にあるものを話題にする:「そのスマホってどれくらい使っているのですか?」

 
 あなたの質問に相手が何か答えたら、その答えに対して質問をしましょう。例えば、「最近電車混んでませんか?」と質問して、相手が「いや〜、本当に混んでるね」と答えたら、「大変ですね。つり革も持てないくらいの混み方ですか?」とか「混んでない車両とか調べてます?」など質問をします。このように質問を繰り返し、相手のコモンプレイスを探ります。
 Yes/Noで答えられる質問(クローズドクエスチョン)はなるべく避けましょう。「そのスマホは気に入っているのですか?」と訊くのではなく「なぜそのスマホを選んだのですか?」と訊く方が会話が膨らみます。一般的に、「なぜ◯◯なのですか?」「どのように◯◯するのですか?」と訊く方が盛り上がります。
 「なぜ◯◯?」の形は、相手を非難しているように聞こえることがあります。「なぜそうしたのですか?」「なぜ朝ごはんを食べないのですか?」など非難しているような表現に成ってしまうときは、言い換えをしましょう。この辺のテクニックは、デザイン思考の「顧客インサイト」を得るためのテクニックと同じです。
「なぜそうしたのですか?」→「そうするようになったきっかけは、なにかあるのですか?」
「なぜ朝ごはんを食べないのですか?」→「いつから朝ごはんを食べなくなったのですか?」
 

それでも盛り上がらないとき

 あなたが色々工夫して話をしても、相手によっては盛り上がらないことがあります。そんなときは、相手が悪かったと思い、あきらめましょう。相手も話術の下手な日本人です。盛り上がらないことも当然あります。

そこまでして盛り上がらなかったら、その人は放っておけばいい。パーティ会場は良い実験の場であり、実践を積むことができます。

 

最後に

 知らない人と話すのは緊張するし疲れます。その分、新しい知識や考え方を得るチャンスです。初対面の人と話すことで、話術を磨くこともできます。まずは、誰にでも通用する質問を準備するところからトレーニングを始めてみてはいかがでしょうか?

 知らない人と話をすると、思考回路が増えます。違う価値観に出会って、新しいものが見えてくることだってあるでしょう。シャイだから、面倒だから、無理だからといって話しかけないのは、自分の世界を広げるチャンスをみすみす逃しています。

 

おまけ

 初対面の人と話すとき、相手もあなたに質問をしてくるでしょう。そのとき、あなたはYes/Noで答えてしまうのではなく、会話が膨らむような返答をしましょう。「ツカむ!話術」には、ディテールを話す、ストーリを語る、といったテクニックが記されています。これらのテクニックも使えば、初対面の人とも大いに盛り上がって、会話を成功させることができます。