kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



楽して仕事をするためのコツ! WBSを作ろう

 WBS(Work Breakdown Structure)は財産だ。社会人になってWBSを使わずに仕事をする人は、もったいない残念な人だ。
 あなたは、締め切り間際に残業していることが多くはないだろうか? 明日提出の資料にダメ出しされて、終電までパワーポイントと格闘していることはないだろうか? WBSを使えばそういったことはなくなる。
 仕事の90%はルーチンワーク、つまりいつもやっていることの繰り返しだ。10%が新しいやったことのない作業だ。これは、デザイナーや研究職のようなクリエイティブと言われる職種でも同じだ。どんなにクリエイティブな仕事であっても対価(つまりお金)を受け取るからには一定期間内に成果物を出す必要がある。初めての作業が多いとこれができない。つまり、仕事として行うからには、ルーチンワークにしていく必要があるのだ。
 このルーチンワークを効率的に行うツールがWBSだ。仕事の90%はWBSでグッと効率化できる。

WBSは財産

 WBSとは、ソフトウエア開発プロジェクトのプロジェクト管理で使われる手法です。作業を全て洗い出し、作業スケジュールを組みます。詳しくは、以下を見て欲しい。

 
 あまり知られていないことだが、ソフトウエア開発以外でもWBSは非常に役に立つ。WBSでは、タスクの洗い出しとその整理がポイントだ。これは仕事一般にも言えることだ。
 例えば、企画書などの資料作りをするとき、パワーポイントを立ち上げて書き始めるのは非効率だ。まずはタスクの洗い出しから行うのが正解。大きなタスクは、(1)企画書の目的の明確化、(2)資料収集、(3)企画案の検討、(4)清書だ。この中で重たい作業は(3)の企画案の検討であろう。これを分解すると、(3-1)What(何をするのか)の明確化、(3-2)Why(何故するのか)の明確化、(3-3)How(どう実行するのか)の明確化である。また(4)清書を分解すると、(4-1)パワーポイントのテンプレート作成、(4-2)写真・グラフなど素材の準備、(4-3)資料執筆、(4-4)上司の確認、である。
 
 一度作ったWBSは保存しておこう。あなたが同じ部署で仕事を続ける限り、同じ仕事をする可能性は極めて高い。
 今あなたが企画書を作ったのであれば、半年後にはまた別の企画書を作るだろう。そのとき、保存しておいたWBSを参考にするといい。タスクの具体的な内容は異なっていても、WBSというタスクの構造は同じである筈だ。前回は詳細化の不十分だった部分が、今回はもっと詳細化できるだろう。前回は作業時間を読み間違えた部分を、今回は正確に予想できるだろう。そうして前回よりも質の高いWBSを今回は作ることができる。
 こうしてWBSの質が上がると、作業の効率は劇的に上がる。個々の細かい作業での失敗や、後戻りがなくなるためだ。

WBSの書き方

 WBSを作るときは、(1)タスクの洗い出しと、(2)スケジュールの作成を、分けて行うのがコツだ。ガンツチャートをいきなり書き始める人がいるが、それは効率が悪い。
 タスクの洗い出しには、マインドマップを使うのがお勧め。使用するツールは、XMindなどフリーソフトがたくさんあるのでお好みのものを使うと良い。私は、WORDのアウトラインモードで済ますことも多い。
 タスクの洗い出しのコツは、二つの視点を意識することだ。一つ目は、トップダウン vs ボトムアップの視点。二つ目は、成果物 vs 作業手順(プロセス)の視点だ。
 抜けモレなくタスクを洗い出すために、タスクの粒度・グルーピングを意識して木構造に整理するのがコツだ。その際にトップダウンボトムアップの両方の視点でタスクを洗い出す。
 まずは思いつくままにタスクを列挙する。タスクの粒度は気にせず、大きいタスクも小さいタスクも気にせずまず列挙する。これを大きなタスク(企画案の検討、清書など)と、小さなタスク(Whatの明確化、Whyの明確化、Howの明確化など)に分ける。そしてこれらの依存関係を木構造に整理する。さらに、大きなタスクを眺めて他の大きなタスクが抜けていないか確認する。次に、大きなタスクを小さなタスクに分解する(トップダウン)。今度は、小さなタスクをグルーピングして上位のグループにまとめていき、大きなタスクを作っていく(ボトムアップ)。このようにトップダウンボトムアップを繰り返すことでタスクの抜けモレを防ぐことができる。
 WBSあるあるだが、タスクの木構造を作るときに上手く整理できないときがある。それは、成果物と手順が混在してしまうためだ。「○○を作る」などの成果物の視点でタスクを洗い出しているときと、「○○を上司に確認してもらう」・「○○の発注を行う」などの一つの成果物を作るための手順が混在するのだ。一つの成果物は、それを構成する複数の副成果物と、成果物を完成させるための複数の手順から成る。副成果物が多い場合には成果物の観点で分解したくなるし、手順が複雑な成果物の場合は手順の観点で分解したくなる。これらが混在することもあると割り切るようにしている。成果物Aは副成果物の視点で分解し、成果物Bは手順の視点で分解することを許容している。ただし、どちらの視点で分解しているかは明確にしておく。視点を明確にすることで、それらが混在しても混乱することを防ぐことができる。
 作ったタスクの木構造は、必ず保存しておく。WBSは宝だ、その価値の全てはタスクの木構造にある。来年同じような仕事をするときに見返すのは、このタスクの木構造である。
 
 次に、洗い出したタスクをもとにスケジュールを作成する。このとき大切なのは見栄えである。見づらいスケジュール表は確認に手間がかかる。一目見ただけで直感的に分かるように書こう。使用するツールはエクセルがお勧め、良いテンプレートがあるので以下を参考にしてほしい。

WBSのコツ

 WBSを作るのは実は難しい。タスクの洗い出しには抜けモレは出てくるのが普通だし、木構造も整理されていない部分が残るものだ。初めてWBSを作る場合には、完璧なものを作ることをあきらめるのがコツだ。
 どうせまた似たような仕事をするのだから、WBSを使い回すときに改善していけば良い。一回で完璧なWBSを作るのではなく、使い回すうちに完成度を高めていくのだ。
 また、WBSはタスク洗い出しとスケジュール作成に分かれるが、タスクの洗い出しに時間をかけるのがコツだ。スケジュール見積もりに時間をかける効果は低い。スケジュールはどうせ外部要因でズレていく、再利用性も低い。

まとめ

 どんな仕事であってもWBSを作ることで、劇的に効率アップする。
 一度作ったWBSは財産である。仕事というのは90%のルーチンワークと10%の創造的な作業でてきている。WBSで90%のルーチンワークを楽々とこなすことができるのだ。

  • WBSを作る際の、タスクの木構造は宝、必ず保存しよう
  • いきなり完璧なWBSを目指さない、WBSを使いまわしながら完成度を高めていこう