コミック「君に届け」、全30巻を一気読みしました。優しい気持ちになるコミックです。
このコミック原作で同名映画が多部未華子さん主演で撮られており、これが良かった。多部未華子の暗い演技と三浦春馬の爽やかさんの演技が見ていて心地いい。
君に届け プレミアム・エディション (初回生産限定) [DVD]
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: DVD
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映画を観ていたので、コミックも読みたくなりました。
コミックでは、主人公の黒沼爽子が高校入学してから高校を卒業するまでの3年間が描かれています。
黒沼爽子のキャラ設定は、人と接する経験が極端に乏しく対人スキルに欠ける、それでいて努力が報われると信じているポジティブシンキングな人物。彼氏の風早翔太は、対人スキルに長けた人気者。それでいて、黒沼爽子の気持ちを察するのが下手。つまり、二人とも矛盾したものを抱えている。この矛盾がストーリ後半を作っていきます。
ドラえもんの登場人物、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんはそれぞれ人間の持つ典型的な性質、優しさ、自尊心、ずるさ、正しさを表しています。これと同じように「君に届け」でも、黒沼爽子の友人、千鶴、あやねは、単純さ、思慮深さの性格を表します。
黒沼爽子を中心としたストーリだけでなく、千鶴を中心としたストーリとあやねを中心としたストーリの3つが展開されていきます。それぞれの性格を上手く反映したストーリとなっていて特徴が上手く出ています。
話を通じて悪い人間が出てこない。みんな良い人の話はうそっぽくなりがちですが、うまくまとめています。風早翔太が空気を読まない自己完結した性格であったりと欠点を持っていたり、他のキャラクタもそれぞれに欠点をもっており、その欠点を使ったストーリーがうまく構成されています。そして、良い人のストーリは読んでいて優しい気持ちになれて、読後感が良い。