kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



映画「天気の子」は新海誠節全開だった。丁寧に儚なさを描き、エンディングのスケールが大きい

  新海誠さんの映画「天気の子」を見てきました。

  大ヒット映画「君の名は」の次の作品ということで、期待半分不安半分です。

 

  新海誠さんの映像作品といえば、高校生男子のうまくいきそうでいかない恋愛が殆ど、全体的に世界は鬱屈としていて彼・彼女の二人の時間が唯一の救い、そんなテイストのものが殆ど。「君の名は」例外的に明るくハッピーエンドでしたが、ハッピーエンドで終わることも殆どありません。

 

  さて、映画は、東京の街を細かく描く新海節が炸裂で、新宿・代々木・池袋・田端が克明にリアルに描かれている。ほぼ写真。冒頭で新宿にバニラの宣伝カーが走る様子は映画館一同笑ってしまった。

 

  映画全体を通して、鬱屈とした彼・彼女が救いの時間を過ごすのは、いつもの通りで、「君の名は」のような明るさは少ない。エンディングはスケールの大きい終わり方で、あの終わり方は斬新。

  多くの伏線が張られ、それを丁寧に回収していくストーリは見事で無駄がない。気を抜くとその計算された仕掛けを見落とすので、しっかり見たい。盛りだくさんだけど無駄がないストーリ、これがこの映画を評するには一番だと思った。

 

  「君の名は」では、映画のアイコン(特徴的な部分)が多くて、ブログを書いたりTwitterに投稿するのが楽だった。“君の前前前世から僕は、、♩”といったメインミュージックのサビがイカしているとか、隕石が落ちてくるシーンが派手だとか、言葉にしやすいものが多かった。

  一方で、「天気の子」はそういったアイコンが少ない。“すごく良かったよね”とは言えるのだけど、具体的にこのシーンが、この音楽が、このセリフがと言葉にするのが難しい。だからこの映画の良さを、言葉にすると何か物足りない感じになる。

tenkinoko.com

 

まとめ

  新海誠監督の「天気の子」を見てきた。良い映画です。面白かった。ハリウッド映画のような分かりやすさではない。丁寧に作っている映画でワビサビの世界で、感想を言葉にしづらい映画。まぁ、あなたも見てみなさいな。

 

 おまけ

 正常と異常。これが、この映画のキーワードになりうる。正常と異常の間に優劣は無く、ただ多いものを正常と呼び少ないものを異常と呼ぶ。

 親と一緒に暮らすのが正常で、親から離れて暮らすのは異常。親がいない子供は施設で暮らすのが正常で、子供だけで暮らすのは異常。

 例年通り雨が降るのが正常で、それ以上大量に降るのが異常。

 正常が正しくて、異常が不良なわけでもない。その異常はつい昨日までは正常と呼ばれていたかもしれない。

 

 帆高と陽菜は異常を選んだ。そういう映画だ。