kotaの雑記帳

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『形容詞を使わない 大人の文章表現力』(石黒圭):文章を上手に膨らませるための本

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形容詞を使わない 大人の文章表現力

形容詞を使わない 大人の文章表現力

 

 

 「形容詞を使わない」という切り口が斬新で買った本。本書は、文章表現を増やすノウハウ本だ。でも、単なる表現のことだけでなく、ブログに書くネタが無い人にうってつけの本だとも思う。

 

  ブログに書くネタの無い人は、何か特別なことが無いとネタにならないと思っている。でも、一度アメブロなどのような、日常を綴った系のブログを冷静に読んで欲しい。話の骨格は、ありきたりなことばかりだ。〇〇を食べたとか、〇〇を買ったとか、〇〇に行ったとか、〇〇と会ったとか、大体この4パターンだ。

 ありきたりなネタで面白おかしくブログを書き続けるコツは、主観+説明だ。

  ブログでネタに困る人は、主観を表すことに遠慮する。例えば、「昼ごはんが美味しかった」と書こうとするとき、昼ごはんが平凡なコンビニ弁当だったりすると、今日は特別なレストランに行ったわけでも無いから「美味しかった」と書くのは気がひける(書く以前に美味しかったと思うことに気がひける人も多い)と思う。ところが日常を綴る系のカリスマブロガーは、「いつものコンビニのお弁当を食べて美味しかった」と堂々と書く。

  主観を堂々と言い切った後で、カリスマブロガーは事細かに説明を行う。「いつものコンビニ弁当が美味しかった」に対して、

  • 「いつも」の説明をする。ここ2週間で4回目だとか、昨日も食べて今日も食べたとか。
  • そして「コンビニ」の説明もする。そのコンビニの店員が声が大きいとか、レジ打ちが速いとか、元気だとか。
  • さらに「弁当」の中身について、ご飯が多いとか、カロリーが少ないとか、野菜が多くてヘルシーだとか。
  • そしてそして「美味しい」の説明もする。甘いのが好きだとか、ちょっと辛いところが好きとか、香りが良いとか。

 

  ブログで最も大切なのは、読者の共感を得ること。その共感は細部に宿る。「いつものコンビニ弁当が美味しかった」の事細かな説明が、読者の「そうそう、私もそう」と共感を得る部分だ。

  本書では、詳細な説明をするためのヒントとして

  • オノマトペを使う。例えば、「美味しいいケーキ」ではなく、「ふわふわとふっくらしたケーキ」と表現する。
  • 具体的に表現する。例えば、「素晴らしいホテル」ではなく、「部屋が広く、食事も豪華で、ホテルスタッフの対応も丁寧なホテル」と表現する。
  • 数字で表現する。例えば、「今日の羽田空港は人が少なかった」ではなく、「いつもは10メートルの行列ができている保安検査場に、列ができていなかった」と表現する。
  • 感情を出来事を用いて表現する。例えば、「二度寝して気持ちよかった」ではなく、「寒い朝に起きなきゃと思ったら、今日は休みだと思い出した。ヌクヌクした布団を目一杯楽しんだ」と表現する。

 

 まとめ

  本書の「形容詞を使わない」という切り口が面白い。この「形容詞を使わない」という視点が、ブログネタに困っている人に役に立つ。ブログが書けない人はネタが無いわけでなく、ネタを上手に膨らませることができていないことが多い。本書を読むと、ネタを膨らませるコツが分かる。