kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「正しい」とは何か?

 COVID-19感染防止のため家にいる時間が長い。せっかくなので、本をたくさん読んでいます。昔読んだ時は分からなかったことが今読み返すと分かることも多く楽しい。

 ニーチェが”正義とは弱者の逆恨み”(超意訳)と言ったように覚えていたことも、いま読み返すとより細部が分かる。

 おお、どんなにか彼らは心底から罰を蒙らせようとねらっていることか、どんなにか彼らは刑吏たろうと渇望していることか。彼らのうちには裁判官に変装した復讐鬼がうようよいて、たえず<正義>という言葉を毒のある唾液のように口に含み、いつも口先をとがらせながら、満足そうな面持ちで上機嫌に街をゆくすべての人に唾を吐きかけようと狙っている。

道徳の系譜フリードリヒ・ニーチェ、「読まずに死ねない哲学名著50冊 (フォレスト2545新書)」より)

 

 自分を律するために正義を使うのではなく、他人を批判するために正義を振るう様子を表現している文章だと、今回読み返して思った。つまり、ルサンチマン(ねたみ)を真の動機とする正義は、他人を批判しがちである。

 これに対して、ニーチェは、あなたの正義(善悪の判断)はルサンチマン(ねたみ)に端を発していないか吟味せよと言っている、ということも今回の読み返しで分かった。

 

 みんなやってるから自分もやるというのを正義ではない、とニーチェは言いそうだ。