kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



新型コロナウィルス時代に見るサブスクリプションモデルの弱点

 航空産業が危機だ。かつて、航空産業に対してサブスクリプションモデルでイノベーションを起こしたと喝采を浴びたGEは大丈夫だろうか?サブスクリプションモデルは、世界を脆弱にするかもしれない。

 

 COVID-19により航空産業が危機的ピンチに陥っている。

 国を跨いだ移動は制限され、飛行機の需要は落ち込んでいる。ANAJALや世界の航空会社は、飛ばす飛行機をどんどん減らしている。その影響は、航空会社だけでなく飛行機を作る分野にも及んでいる。

  【4月訪日客99.9%減 たった2900人 - Yahoo!ニュース

 

   その影響は、航空会社だけでなく飛行機を作る分野にも及んでいる。ロールスロイス(日本では自動車で有名だけど、実は航空機のエンジンを作っている会社)が大規模(世界の従業員の20%カット)なリストラを発表した。

  【英ロールス・ロイス、航空業界不振で9000人削減へ 工場閉鎖も視野(ロイター) - Yahoo!ニュース

 

 飛行機が飛ばないことで、エンジンメーカであったロールスロイスがリストラに追い込まれるのは不思議に思うかもしれない。実は、サブスクリプションモデルにロールスロイスが苦境に追い込まれている原因がある。航空機のサブスクリプションモデルとは、飛行機の飛んだ時間に応じて料金をロールスロイスがもらうビジネスモデルだ。

 ロールスロイスは、航空会社から飛行時間に応じて支払いを受けているが、飛行時間は3月は50%減少、4月はさらに減少すると予想される。

(【英ロールスロイス、配当中止 新型コロナで流動性強化 - ロイター】)

 

 つまり、航空会社の業績の影響をもろに受けた形になる。

 このサブスクリプションモデルは、GEが航空機に関して採用したことで有名になった。当時はIoTを用いたビジネスモデルイノベーション喝采を浴びたものだが、COVID-19の影響までは考慮できなかったということだろう。GEは、Predixというサービスプラットフォームを作って強力にサブスクリプションモデルを推進していたが、今回のCOVID-19の影響をどれくらい受けているのだろうか?発表を待ちたい。

 

 さて、サブスクリプションモデルの本質は、”使った分だけ支払ってもらう”という課金モデルだ。顧客がサービスを使うかどうかは顧客次第でサービス提供者にはコントロールできず、その変動の影響をモロに受けてしまう。言い換えれば、バリューチェーン上の結びつきが従来より一層強くなり、その分リスクが高まる。

 そういう意味で、サブスクリプションモデルは世界を脆弱にするのかもしれない。