仏教学者の佐々木閑さんの著書。
仏教の概念であるカルマ(業)とは、人の行動や思考は常に記録されいつかその報いをうけるというもの。自業自得や因果応報などと関連すると言えば分かりやすい。
ネットで今起こっていることはまさにそのカルマであるという、切り口をこの本で提案している。
そう言われると、確かに購買記録やコンテンツの視聴記録など個人の行動の多くがネットに記録されており、IoTなどと言ってその記録される範囲はますます広くなっていっている。
こうして記録された行動が、後に誰かによって検索され、バラバラの記録が統合されて、推測を含んだ人物像がつくりあげられる。このつくりあげられた人物像に対して、報いをうけさせられることを、この本ではネットカルマと呼んでいる。
とても面白い切り口だ。この切り口を使うと、新しいことが見えてくる。