映画「ガリレオ 沈黙のパレード」を観てきた。
映画「ガリレオ」は前作の「真夏の方程式」が、青い海の美しい映像が印象的な映画だった。前々作の「容疑者Xの献身」はよく練られたストーリーに夢中になった。
今回の「沈黙のパレード」は、謎解きの伏線が少なくて、湯川の推理に唐突な印象がした。
そもそもこの手の映画のストーリーには2種類ある。犯人の目星がついているが、そのアリバイをどう崩していいのか分からない場合、もう一つはどうやって犯罪が行われたのか分からない場合。前者は、アリバイ崩しのためのヒントが映画の前半に描かれ、映画を見ている者も一緒に謎解きを行ない、どうしても分からない点を映画の中で湯川が明らかにするのを見て、ある種のカタルシスを感じる。後者は、容疑者ならではの知識などから犯行方法を推測していく。
今回の「沈黙のパレード」のストーリーでは、真犯人を巡ってどんでん返しがあるのだが、それが少し強引な印象だった。
一方で、刑事 草薙俊平を演じる北村一輝が熱演していて、見ごたえがある。犯罪の被害者は、犯人が正しく裁かれずに無罪となると、葛藤に押しつぶされる。その葛藤が新たな犯罪を生む。その連鎖の中で、刑事の感じる無力感、申し訳なさをよく演じている。
今回の「沈黙のパレード」は北村一輝に注目して見ると、楽しめると思う。