kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



CANNONのライブビュー使用時でのAF高速化に関する特許を読む

キヤノンが撮像センサーで位相差AFを実現する特許を取得 」という記事に惹かれてその特許明細書を読んでみました*1

 内容については、まず背景から説明します。そもそもAF(オートフォーカス)方式には、位相差AF方式とコントラストAF方式の2種類があります。位相差AF方式の方が高速なピントあわせができることから、一般には、デジカメ一眼レフでは位相差AF方式が使われており、コントラストAF方式はコンパクトデジカメに使われています。ところが、デジカメ一眼レフでもライブビュー(背面液晶)で構図を確認して撮影したいというニーズがあることと、パナソニックのGF1やオリンパスのPENのようなマイクロフォーサーズや、ソニーのNEX-5Dのようなミラーボックスのない一眼カメラの出現により、ミラーボックスが無くても高速な位相差AF方式を用いたいというマーケットの流れがあります。

 さて、特許の内容は、撮像素子を用いて位相差AFを実現するものです。撮像素子を用いる場合のトレードオフとして、撮像素子の一部を位相差AFに使うと、その部分は撮影時の画質が悪くなるという問題がある。そこで、人間の目は輝度には敏感だが色には鈍感であるという性質を利用して、撮像素子の輝度情報を得るG(グリーン)の部分はは位相差AFに用いずに、色情報を得るRとBの部分で位相差AFの入力を得る、というものでした。

 この特許がCANNONの本命技術になるかどうかは分かりませんが、ミラーレス機で位相差AFを使いたい、という流れを感じます。この流れはEVFへと続き、一眼デジカメの低価格化を加速するでしょう。

 デジカメ一眼レフの世界には、「レンズは財産、カメラ本体は消耗品」という言葉がありますが、今後ますますカメラ本体は消耗品となりそうです。だとすると、重要なのはどのレンズマウントを選択するかということになる。レンズの世界は奥が深いので、ますますカメラにはまる人が増えそうです。

*1:この特許はまだ権利化されておらず出願された状態です記事のタイトルの「特許を取得」は勇み足でした。