「笑われ力」という面白いタイトルの本を読んだ。笑われ力とは、人を笑わせる力ではなく人に笑われる力であり、小手先の話術ではなく行動スタイルである。お笑い芸人よろしく他人を大いに笑わせる人を見かけると、なんとなく憧れたりするものだ。自分もあんな風に人を笑わせられるといいなっと。しかしながら、笑わせ上手の人と会話するのも疲れるもので、いつも笑わせ上手な人と居たいと思うとは限らない。一方、笑われ上手な人との会話は、もっとゆっくりしてもっとリラックスできるものである。本書は、そんな笑われ上手になるための本である。
笑われ上手になるためには、信念が必要である。「ダメな自分は、嫌な自分ではない」、これが笑われ上手の信念である。笑われ上手は自分を嫌いになってはいけないのだ。笑われ力は、自分の中のダメな部分や矛盾のある部分を笑ってもらう力であり、自分のタイミングでなく相手のタイミングで笑われネタを提供するのである。笑われネタが受けたからと言って、もっと笑わせてやろうとか背伸びするのは厳禁である。あくまで相手と場のタイミングに合わせるのだ。
笑われ上手になるためには、スタイルを身につける必要がある。このスタイルとは、「自分を客観的に見つめる」ことと、「場を客観的に見つめる」ことである。客観的にみつめるためには、自分や場から一歩引いて全体を眺める態度が必要となる。そして、周りのみんなが必要とするタイミングを客観的に見極めて、笑われネタを披露するのである。
このようなスタイルを身につける副作用として、ストレスに強くなるし、囚われない力がつく。
さて、本書では笑われ力をつけるために具体的な方法についても述べている。詳細は本を読んでほしいが、エッセンスだけ記しておく。
- ダメな自分を集める
- 過去:失敗談
- 現在:無知、悩み、コンプレックス、苦手
- 未来:妄想
- そのネタを次の公式(ネタ*表現)に当てはめて話をする
- 失敗談*毒舌
- 無知*勘違い
- 悩み*誇張
- 苦手*比較
- コンプレックス*内緒話
- 妄想*時事ネタ
- 作者: 太田敏正,石原壮一郎
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 単行本
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