kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



デジタルカメラ復活のシナリオ

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スマートフォンに押されて売れないカメラ

 スマートフォンのカメラ機能がどんどん進化している。このため、ライトユーザをターゲットとするコンパクトデジタルカメラの売り上げが下がっている。実際、旅行先や学校の運動会などのイベントにおいて、デジタルカメラではなくスマートフォンで撮影している人をよく見かける。
 スマートフォンの強みはなんといっても、(1)常に持ち歩いている携帯性、(2)SNSやメールにより友人と写真をシェアする通信機能、(3)豊富なアプリを用いて写真を加工する加工機能、である。これに加えてスマートフォンの撮影画質も年々向上しており、写真の画質にこだわるミドルユーザからも「スマートフォンのカメラってよく写るね」とその実力を認める声が聞かれるようになってきている。今後もその画質はどんどん向上していくことは間違いない。

デジタルカメラの反撃

 では、コンパクトデジタルカメラは今後ますますスマートフォンに押されて消えていくのだろうか?私は、まだまだコンパクトデジタルカメラには発展する余地があると思う。なぜならスマートフォンは、情報端末であってカメラではないからだ。カメラという単機能機器であるが故にできることが存在する。私なりの意見を書いてみる。

小型化

 スマートフォンは、大きな液晶ディスプレイを備えることを宿命としているため、小型化できない。もし、デジタルカメラが例えばマッチ箱サイズに小型化すればスマートフォンとは異なる用途が生まれる。例えば、自転車につけて風景を常に撮影するような、人間がシャッターチャンスを狙ってシャッターを切るのではなく何かを記録し続ける用途に使われる。

自由な形

 バリアングル液晶は大変便利な機能であるが、スマートフォンに搭載するのは難しい。カメラであれば、例えば、キヤノンのPower Shot Nのように自由に形をデザインすることができる。カシオのEX-TR150のように自立し自分撮りに適したカメラ、あるいはカメラ自身が向きを替えパーティ会場で笑顔を狙って撮影するカメラも考えられる。また、マクロ撮影時に被写体に近づいても影がかからない形状のカメラも面白い。
 また、Pentax Q10が売れていることを見ればわかるとおり、外観が好きだから買うという所有欲を満たす形を追及するという方向性もある。

大型撮像素子の搭載

 APS-Cサイズあるいはフルサイズの撮像素子を乗せることで圧倒的な画質(特に高感度画質)でスマートフォンと差異化することもできる。薄暗い居酒屋でスマートフォンで撮った写真は、画質的に物足りない。夜遊びしている最中もきれいに撮れるのは大型撮像素子を搭載できるデジタルカメラの強みである。

自由な画角

 20mmの広角や100mmを超える望遠のような様々な画角で遊べるのもデジタルカメラの強みである。CP+ 2013でペンタックスリコーが展示した「全天球カメラ」も広角を極めたという意味で可能性がある(360度写した写真をどう見せると楽しいかを別途考える必要はあるが)。様々な画角を使って写真を撮る楽しさをスマートフォンでしか写真を撮らない人に啓蒙することで、デジタルカメラへのニーズが高まる。

まとめ

 スマートホンのカメラ機能はどんどん進歩しており、普段使いのカメラとしてデジタルカメラを使わない人が増えている。このままでは、コンパクトデジカメという製品カテゴリはなくなってしまうという悲観論がある。これに対して、デジタルカメラが反撃する切り口をまとめてみた。私は単なるカメラ好きであるが、もしカメラメーカさんがこのエントリを見て何かの参考になればとてもうれしい。

追記

ネット連携

 デジタルカメラ無線LANを載せて、SNSに写真を容易にアップさせることを狙う企画もあるが、私はこれを良いとは思わない。SNSを使用するユーザはスマートフォンを使っている率が高く、SNS連携機能はスマートフォンと重なるためだ。同様の理由で、トリミングなどの画像処理を行う機能もスマートフォンに任せておけばよいと思う。ネット連携という点でデジタルカメラが備えるべきものは、SNSにアップしたときに多くのアクセスを稼げる写真を撮れる機能である。例えば、防水がしっかりしていて海中の様子が撮れるとか、スカイダイビング中にでもきれいに撮れるとか、そういったものだと思う。

カシオ

 このエントリを書いて各社のデジカメを眺めてみると、カシオのカメラはスマートフォンとの差別化を良く考えているように思える。例えば、EX-ZR1000は、バリアングル液晶、高速レスポンス、ワイドショットなど、スマートフォンを持っているユーザに使って欲しいという商品企画の意図を感じる。あるいは EX-ZR700の超強力な手振れ補正もスマートフォンユーザにも訴える。