コンサルタントが好きな経営分析ツールにwikipedia:SWOT分析というものがあります。最近、SWOT分析を色々やってみた感想。これって使いづらい。
SWOT分析は、シンプルなのでとっつきやすい。具体的には、内部要因と外部要因をそれぞれ二つに分類して、それらをマトリックスに並べる。
- 内部要因:強み&弱み
- 外部要因:機会&脅威
例えば、IT関係の個人事業者だとしたら、
- 内部要因
- 強み:ソフト開発経験が豊富
- 弱み:大規模プロジェクトのマネージャ経験が無い
- 外部要因
- 機会: ソフト開発ニーズの増加
- 脅威: 競合他社(ソフト開発請負業)の増加
これらを、以下のようにマトリックスに並べて、強みと機会の交点で戦略を考える(SO戦略)。
機会 | 脅威 | ||
---|---|---|---|
ソフト開発ニーズ増加 | 競合他社の増加 | ||
強み | ソフト開発経験豊富 | SO戦略 | ST戦略 |
弱み | 大規模プロマネ経験無し | WO戦略 | WT戦略 |
このように簡単なフレームワークで、とっつきやすいのですが、SWOT分析をした結果出てくる戦略は、「ソフト開発経験を活かして、ソフト開発ニーズ増加という機会を獲得する」といった、SWOT分析しなくても最初から分かってるわい! 的なものになりがちです。これでは、なんのために分析をしたのか意味がありません。
考えてみれば、”ソフト開発経験が豊富”というのは強みでも弱みでもなく、事実です。ソフト開発をするには強みですが、小説を書くには弱みかもしれません。このように、何をするか(すなわち戦略)があって初めて、”ソフト開発経験が豊富”という事実を、強みと弱みに分けることができるのです。このため、以下の三すくみに陥ります。