kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



池上彰の「伝える力2」

 池上彰さんは、ニュースを分かりやすく伝える達人である。TV番組の週刊子供ニュース、選挙特番など、視聴率の高さからもそのファンの多さをうかがうことができる。
 その池上さんが、分かりやすく伝えるためのコツを記した本が、「伝える力」と「伝える力2」である。「伝える力」では、分かりやすく伝えるスキルをつけるためのトレーニング方法を述べていた。一方、「伝える力2」では、もう少し簡単に使えるコツを教えてくれる。
 

「伝える力2」の教える分かりやすく伝えるコツ

情報を因数分解する

では、人に何かを伝えるときに、因数分解をどう活かすと良いのでしょうか。
「伝える力」から見た因数分解の本質は「共通した事例をまとめる」ことです。

つまり、共通因子をくくり出してまとめる、ということ。

例えば、健康診断の案内を職場の人たちに出すとしましょう。(中略)
 

D. 3月21日水曜日に健康診断があります。この日の対象者は、30歳以上の男性の正規社員で去年受診していない人です。女性の場合は、30歳以上の正規社員と30歳以上の契約社員が対象です。去年受診した女性も受けられます。
 
(中略)
 
E. 3月21日水曜日に健康診断があります。この日の対象者は30歳以上です。そのうち、男性は正規社員で去年受診していない人が対象です。女性は正規社員および契約社員が対象です、去年受診した人も受けられます。

Dを因数分解して、Eのように表現するということ。
 

具体的な話 + 一般論・まとめ

 一般的な話だけしても、相手には伝わらない。具体的な話、個別の話をして、それに一般論・まとめの話を加える。
 

興味を持ってもらうための言葉の由来

 「ゲリラ豪雨」について説明した際にも書いたように、人に何かを伝えるときには、その言葉の由来や語源を話すと、興味を持ってもらえることが多いものです。特に話の導入部に”つかみ”として活用できます。

言葉の由来の説明を話のつかみにつかう、確かに池上さんが良く使う話法ですね。説明の内容を分かりやすく伝えるためには、まず相手に興味を持ってもらう必要がある。そんな池上さんの配慮を感じます。
 

池上さん流の話の組み立て

 上の内容をもとに、池上さん流に分かりやすく話をする場合のテンプレートを作ってみました。

  1. 今日の話の全体像。因数分解によって話全体の共通部分をまず伝える。
  2. キーワードの言葉の由来。話のつかみとして、キーワードの由来を伝える。”そもそも「ゲリラ豪雨」の「ゲリラ」ってどういう意味かというとね、、、”と話す。
  3. 具体的な個別事例。"例えば、昨年の7月に練馬区で降ったゲリラ豪富の場合、、、”と具体例を話す。
  4. 一般論・まとめで締める。要するに何が言いたいのかを説明する。"夏の夕立による被害が年々増えていますね。"

 

池上さんお勧めの本

 本書の中で、池上さんは藤沢晃治さんの『「分かりやすい表現」の技術』ほか計三冊の著作を、勧めています。私も読んでみるつもりです。

 

おまけ

 「伝える力」を以前読んだ時のメモへのリンクを残しておく。