イノベーション戦略による成功者が次々と現れている。
すいません、釣りです。
常々、「イノベーション」という言葉って、思考停止ワードだなぁっと思っています。
もともとは、「イノベーション」=”すごい”顧客価値創出 ぐらいの意味だったと思う。それが、段々「イノベーションに注力する」など、「イノベーション」=なんかすごいこと くらいの意味になってきて、ついには「イノベーションを通じて成長分野に資源をシフト」とか「日本もイノベーションの社会実装を急げ」とか、意味の分からない文章があふれています。イノベーションって社会実装できるものなのでしょうか?
「今は平時ではなく異常時であり転換期。従来の経営戦略では通用しない。だからこそ経営戦略としてイノベーションが必要」(アサヒグループホールディングス社長・泉谷直木)
(「大企業のトップが激論、日本型イノベーションを興すために」(Exciteニュース))
このあたりになると、”なんかすごい戦略が必要”くらいの意味でしょうか。
「イノベーション」という言葉は便利です。「経営によるイノベーション」、「技術によるイノベーション」、「投資によるイノベーション」など 後ろにイノベーションをつけるとなんとなくカッコよくなります。「地域イノベーション」とか「医療イノベーション」とかもありでしょう。なんだったら「子育てイノベーション」、「介護イノベーション」、「教育イノベーション」もありでしょう。意味が分からないけれどカッコよくなります。「個人のイノベーションを組織イノベーションにつなげ、社会にイノベーションを起こす」なんていうなんとなくかっこいい文章も書けます。
「イノベーション」という言葉を使うと、なんとなくカッコよくなるので、書く方も読むほうも思考停止になるんですよね。
一方、「戦略」という言葉も「イノベーション」と同じなんだと最近思い始めました。なんだかカッコよくて、それでいて中身がない。「戦略的パートナシップ」、「戦略的投資」、などなど、「戦略」を前につければなんだかカッコよくなります。「戦略的恋愛」、「戦略的学習」、「戦略的会話」、なんだってありです。
この二つの言葉「イノベーション」と「戦略」を両方使えば、もう最強です。「科学技術イノベーション総合戦略」、「産官学による連携を通じて、革新的なイノベーションの持続的な創出を戦略的に推進するための方策に関する企画・立案」など、かっこいい文章ができあがります。
こんな本もありました。
ストラテジック・イノベーション 戦略的イノベーターに捧げる10の提言 (Harvard Business School Press)
- 作者: ビジャイ・ゴビンダラジャン,クリス・トリンブル,三谷宏治,酒井泰介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/08/06
- メディア: 単行本
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