石井 裕之の「なぜ、占い師は信用されるのか? 「コールドリーディング」のすべて」を読んだ。
コールドリーディングとは、相手に対する前知識無しで相手のことを読み取ることである。タイトルの「占い師うんぬん」という胡散臭い単語をあまり期待しない方がよい。むしろこの本は「聞く技術」として捉えたほうが良い。つまり、「相手を分かる技術」について記載されている。テクニック云々以前に、相手のことを分かろうというモチベーションが必要である。
テクニック的なところでは、
- 相手とのラポールを築く
- 相手と肩を組んでいるイメージを持って、相手と話す
- 相手の目を見るときに、相手のまばたきを観察するつもりで見ると楽。
- 曖昧で無難な(誰にでも当てはまる)質問で相手との共通の話題を探る
- 相手に深く食い込むために
- 相手の一般的な評価と反対のことを、”実は○○なんでしょう?”と質問してみる。(外見が派手な女の子に、”実は結構古風なところあるよね”って言うようなもの)
- ダブルバインド(あること(A)をすることが決まっている前提で、Aの具体的な進め方の選択肢を出し相談する。女の子がデートすることに同意する前に、海に行く?それとも映画に行く?って聞くようなもの)
- メールの書き方は、一言で言えば”ミラーリング”
- 相手のメールの形式(絵文字の有無、文体、改行位置、言葉使い)を真似て返信する
- メールで相手の名前を何度も呼ぶ
- 心情語(例えば、ワクワクする)を使う
この本を読んでの気付きは
- 誰かと話をしていて、こちらの意図が伝わらないで相手が意外なポイントに食いついたとき、”そうじゃなくて、言いたいのは。。。”とやりたくなるが、実はその食いついたポイントが相手の関心事である。「聞く技術」を磨く身としては、自分の話したいことでなく、相手の関心事に話題を柔軟に変更するのがよい。
最後に、本書で一番重要な箇所は以下である。
なぜ、占い師は信用されるのか?
その本当の答えはひとつだけです。
占い師は、いつだって相談者に”興味を持ってくれるから”です。
何かを当てて欲しいのではない。
一人の人間として自分を尊重し、向き合ってくれる誰かを私たちは求めているのです。
なぜ、占い師は信用されるのか? 「コールドリーディング」のすべて
- 作者: 石井裕之
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2005/10/12
- メディア: 単行本
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